2020年2月の記事一覧
短歌入れれます(2020.02~全首評)④
今日も二首アップです。
野村日魚子さん主体にとってはよほど楽しくなかったか、興味のわかない場だったのだと思いました。初句の名詞と三句目の名詞の価値の比重が逆転するところに、歌の面白さを読むことができるのかなと思ったのですが、場に対するなじめなさの虚無感が生理的な気持ち悪さを誘発するようにも思いました。結句で使われている限定の語は、解釈の幅を限定させながら主体の心情もピントをしぼりにいく方向へ定め
短歌入れれます(2020.02~全首評)③
いったん二首アップします。
えんどうけいこさんこの構造は、歌の言いたいことが結句に集約されるタイプだと思いました。そうなると、初句から四句目までにどんな状況や例を入れるかという話になると思うのですが、生活のある一場面にねじれを生み出すような言い回しが、この一首を都市伝説的な奇妙さを与えていて巧いなあと思いました。個人的に、結句に言いたいことが集約されている点は正直なところ気になりますが、じゃあ結
短歌入れれます(2020.02~全首評)②
きたざきゆかこさん
初句二句含めて作中主体の心の内の発話として解釈しました。自己肯定感の低い相手を驚かせてみたいという主体の様子が浮かびました。予感や未来への想像というのは、読者側に解釈の余地がある分、余韻を持った歌として整えやすい一面があると思うのですが、結句の投げかけは投げかけ以上の広がりを持たないように感じました。というのも、関係性を描く際であれば、その関係性をどう感じ、そしてどう行為するか
短歌入れれます(2020.02~全首評)①
まえおき
先日募集しました「短歌入れれます」に、34首の作品をいただきました。みなさま、ありがとうございました。
今回は、告知していたとおり、作品を一切引用せず、投稿者名と評のみ掲載いたします。できるだけわかりやすく丁寧に書くことを心がけていきますが、制約上どうしても読みづらい箇所があるかもしれません。なんとかがんばります。
また評の方向性としては、「歌の構造や表現から読み取れた歌意(解釈)」「