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短歌入れれます(2020.02~全首評)③

いったん二首アップします。

えんどうけいこさん

この構造は、歌の言いたいことが結句に集約されるタイプだと思いました。そうなると、初句から四句目までにどんな状況や例を入れるかという話になると思うのですが、生活のある一場面にねじれを生み出すような言い回しが、この一首を都市伝説的な奇妙さを与えていて巧いなあと思いました。個人的に、結句に言いたいことが集約されている点は正直なところ気になりますが、じゃあ結句に別の表現をいれたほうががいいのかというとそうでもなくて、動かしがたい一首ではあると思います。

和泉さん

初句二句の韻律のぶつ切れ感が少し気になりましたが、ふたりの楽しげな様子やそこから生まれる気分の勢いによって、最後まで読ませる一首だと思いました。四句から結句の一字あけ直前にかけて展開される光景は、あまり具体的にイメージできないのですが、最後の名詞のイメージによって包括できるものの幅が広いので、一首としてまとまりを感じられるように思います。結句、最初破調かと思ったのですが、定型だったのが面白かったです。

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