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【読書感想文】「まずはこれ食べて」を読みました

久しぶりの更新。そして久しぶりに小説を読みました。

料理がキーワードになる話が好きです(映画も漫画も小説も)。
こどもたちと図書館に行ったときに、読書リストにある作品があるかなあと調べたところ、
唯一蔵書されていたので手に取った本。

これがとってもおもしろかった…!!!
読み終わったあとに「おもしろかった~!」と思わず声に出した一冊。

【本の情報】

タイトル:まずはこれ食べて
著者:原田ひ香
出版社:双葉社
あらすじ:
池内胡雪は多忙なベンチャー企業で働く三十歳。
不規則な生活で食事はおろそかになり、社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。
そんな状況を改善しようと、社長は会社に家政婦を雇うことに。
やってきた家政婦の筧みのりは無愛想だったが、いつも心がほっとするご飯を作ってくれて――。

現代社会の疲れを癒す、美味しい連作短編集。

Amazonより引用

料理がどんなふうに絡んでくるのか、そしてこの話どういうふうに終わるのか、読んでいる途中は全然想像がつかなかった。

登場人物たちとおそらく歳が近くて、仕事の話を中心に進んでいくので共感をするところもあった。ほのぼのとした話で料理が出てくるのかと思ったら、ちょっとミステリーチックで最後一気に読み進めてしまった!

帯に書いてある「人生の酸いも甘いもとことん味わう 滋味溢れる」という文言がぴったり。

全体を通して、勝手に想像していた「ほのぼのする」という感じはなく、どこか冷たいような暗い印象を節々に受けた。
でも料理が出てくるととたんに空気が変わる。
とってもおいしそうな料理たち、私も食べたくなった。

ストーリーがおもしろかっただけでなく、私にとってハッとするような、印象に残る言葉や文章がある本だった。

登場人物の一人が、幼少期を振り返るシーンの一文。

ただただ、怠惰に人の愛情を受け取る日々。

「まずはこれ食べて」より

登場人物たちのやりとりの中の言葉。

お金は大切だけど、行き詰った時、理想があなたを助けてくれる

「まずはこれ食べて」より

キーパーソンとなる(勝手に私が思っている)家政婦さんと登場人物のやり取りの中の一文。

自分の不満を誰かにわかってもらいたかったのかもしれない。でも、自分の不満って、なんだろう。

「まずはこれ食べて」より


なんで印象に残ったんだろうと考えてみる。

ひとつめは、子育てをしている今、こどもたちにとって今の時間って「ただただ怠惰に人の愛情を受け取る日々」なんだと思った。
そういう日々にしてあげたい。

ふたつめは、私が今後の仕事の仕方に悩んでいるから印象に残ったんだと思う。
具体的な計画は大切だけと、目標や理想もしっかり持っておきたい。

みっつめ、不満って毎日でてくる。
でも根本的に何に対して不満なのかってことを考えないとただただ怒ってる人になりそう。
自分の不満の核って意外とわからないし、小さなことだったりするよな~と考える。

料理が出てくる話っぽいしなんだかおもしろそう~と思って読み進めていたけど、ラストの展開に、ぞくっとした!
ぜひこの感じを味わってほしい。

小説を読む楽しさを思い出す一冊に。
登場人物はこんな顔かな、舞台はこんな感じ、このときの表情は…と自分の中で映画のようにドラマのように想像するのがとても楽しかった。

最近はビジネス書を読もうとすることが多かったけど、小説をまた読むぞ~!

料理が出てくる話が大好き。
この方の本をもっと読みたいし、料理が出てくる本をもっと読みたい。

読書欲に火がついたので、この勢いで本を読んでいきたい。

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