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質疑応答がつらい

記者発表会に行くことも多いのだけれど、毎度悩ましいのが質疑応答。
もちろん話題の企業だったり、経営者そのものが目立つ人だったり、あるいはリップサービスが上手な人なら質問する記者も多いのだけれど、いつもいつもそうとは限らない。

たぶん、広報の人はヒヤヒヤしている。
「質疑応答の時間をとったのに誰も手が上がらなかったらどうしよう」
そしてその不安はおおかた的中し、会場に何とも言えない微妙な空気が漂う羽目になる。

手が上がらない原因は3つある。

1)発表会の内容を聞いて、何がすごいのかピンとこなかった。

2)同じく、理解はできたが大したことがなかった。

3)発表会だけで十分記事が書ける内容だったので聞く必要がなかった。

だいたいこのへんである。

問題の根っこには、発表する側と聞く側の意識の違いがある。
発表する側は、特にwebベンチャーなどの場合、相当苦労して、極めて社会の役に立つ開発をし、それを発表したわけだし、発表資料に書かれていないあんなことやこんなこともあるんだから、質問攻めにあってしかるべきだと考えている。

しかしだ。
記者たちは毎日毎日リリースを読みこなし、発表会にも出まくり、「ああ、似たようなサービスあったな」とか、「あの人が似たような話してたな」みたいなことも多々ある。
また、プロとはいっても開発者であるわけではないし、その発表に対するインパクトがどれほどあるのか、具体的に言われなければわからないこともある。
担当業界から少し離れた話題に関しては、質問するほど深く知らないということもある。

ここが、質疑応答の深い沈黙を生んでしまう素地がある。

記者魂を見せ、そんな発表会でも、「なるほどその手が」という質問をする記者もいて、心から尊敬し、自分の至らなさを恥じることも多々ある。

だが、いっそのこと、発表会前に事前アンケートでもとって、「会場で順次発表します」と言っておいた方が、出席率も上がるし、質疑応答の沈黙も生じないかと思うのだけれど、いかがだろうか。
わりと記者発表会って様式美みたいなところがあるけど、もう変えていってもいいんじゃないのかなあ。あんな沈黙、自分が登壇者だったら耐えられないよ。インタラクティブな環境になるなら、Web上だっていいはず。大きなお金が動いていると思うけれど、発表会って一体誰のためのものなのだろうね。

#メディア #広報 #記者発表会 #ライター #PR

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