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欧州連合(EU)の歌にも採用。ベートーヴェン「第九」初演200周年(2024年)

欧州連合(EU)の歌として、ベートーヴェンの「第九」第4楽章の一部が採用されている。

EUの前進、欧州評議会の時代に採用され、今日まで引き継がれている。

欧州を一体とすることで、国を超えた共通の体制を敷くことにより、全ての加盟国の社会・経済の発展や自由を保障する。

そして、それまで繰り返し行われてきた悲惨な戦争をなくすことは大きな目的のひとつである。

出入国も自由になり、通貨も「ユーロ」に共通化された。

国歌はそれぞれの国にまだ存在するが、ベートーヴェン「第九」による「欧州の歌」がEUの国歌として演奏される。

この曲が最適だったのは、新たな国歌を生み出すということより、設立以前に、すでに自由を高らかに歌い上げていたベートーヴェンの「第九」を採用する。

それは最善の考え方だっただろう。

このCDは、2006年にドイツで開催されたサッカー・ワールドカップを記念して作られたものだが、録音されたのは1972年。「第九」が欧州連合の歌として採用された時である。

各国の国歌と共に録音されたが、その指揮を執ったのはカラヤンであった。

やはり当時最高の指揮者であったカラヤンに声がかかったとしても驚くことは無い。

カラヤンの演奏はテンポがゆったりしたもので、通常演奏される「第九」とは若干異なるアレンジがされている。

欧州の発展と自由の獲得と戦争を無くす理念のために演奏されるものとしては相応しい音楽である。

今の時代、EUにおける課題も多くあり、EU加盟国の近くでは戦争は相変わらず続いている。

「第九」がそれらを直接的に解決することはできないだろうが、間接的にでもその力が働くことを願いたい。

もしかして、世界に自由が広く行き渡ったとしたら、「第九」は必要とされなくなるのかもしれない。

EU公式のYouTubeのものは合唱団入りのもの。

≪ヨーロッパ国歌集≫ザ・アンセム・アルバム
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団





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