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ベートーヴェンを毎日聴く120(2020年4月29日)

『ベートーヴェン/ポロネーズ ハ長調 op.89』を聴いた。

ベートーヴェンが唯一作った「ポロネーズ」と題する作品。

ポロネーズとは「ポーランド風」という意味で、真っ先に思い出すのはショパンの作品。「英雄ポロネーズ」に「軍隊ポロネーズ」。勇壮でダイナミックな作品たちは、ピアニストのテクニックにくぎ付けになってしまう。

当時流行していたポロネーズ。ベートーヴェンが作曲するのをこの作品のみに留めたのは、ロシア皇后へ献呈するため、という目的のためだけに作ったからだろう。

この作品も独特のリズムで華々しく演奏されるものだが、なにかベートーヴェンのイメージとはズレている気がする。

ロシア皇后はウィーン会議に絡んでウィーンへやってきた。その時誕生日を迎えたのでそのために演奏された。ベートーヴェンは会議を祝い、演奏される作品を、その他にも残している。

しかし、ベートーヴェンにとっては、本当は作りたくて作ったものではなかっただろう。ただ、職業作曲家として生計を立てるために名前を売る必要があった。その絶好のチャンスを活かしたということであろう。

ある意味、この貴重な作品をじっくり聴く機会も多くないので、ベートーヴェンの意外な一面を感じながら聴くのも興味深い。

Denis DoukhanによるPixabayからの画像

(記:2020年12月29日)

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