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ベートーヴェンを毎日聴く281(2020年10月7日)

『ベートーヴェン/アルマンド イ長調 WoO81』を聴いた。

ベートーヴェンは書いた数多くの楽譜、たとえ完成してなくてもそれら大部分を大切に保管していた。紙が貴重なものであり、余白があれば他の作品であってもスケッチを書いたりして大事に使っていた。我々が今でもベートーヴェンの作品の多くを耳にすることができるのはそのおかげでもある。

これは1793年、ベートーヴェン若かりし頃の作品だが、約30年後の1822年になって、この作品を含めた小品の楽譜を引っ張り出してきて、修正を加えたうえでピアノ作品集(バガテル集)を出版をしようとしていた。

その大きな理由は、大作曲家ベートーヴェンでも、当時お金に困っていたからであり、楽譜を出版してそれによる収入を得ようとしていたのだ。

結局、この作品は出版されることなく、ベートーヴェンの死後出版された。

若い時の作品ゆえ、内容は比較的簡単なもの。「アルマンド」はフランス語で「ドイツ風」という意味で3拍子のドイツ舞曲。ワルツよりテンポが速めなので、優雅に踊られるウィンナ・ワルツの雰囲気というよりは、庶民的な楽しい踊りのための音楽と言えるだろう。


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