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ベートーヴェンを毎日聴く180(2020年6月28)

『ベートーヴェン/五重奏曲 変ホ長調 WoO208』を聴いた。

ベートーヴェンはホルンが好きだったようでホルン・ソナタも作っている。たった1曲しかないのが個人的には残念に思うことだが、このソナタはなかなかの傑作である。それについては以下をお読みいただければと思う。

そのホルンを3つも使った作品があったことを知って驚いたし嬉しかった。5つの楽器のうち3本である。あとの2本はオーボエとファゴット。圧倒的多数。主役である。

この作品の自筆譜は戦争で焼けてしまったようで、残った写しの第1楽章の始めの部分は欠落しているらしい。そして第3楽章は1分半と短いが、これはベートーヴェンが未完成の状態であったからだという。

3本のホルンは主役の様にふんわりした柔らかさと厚み、ふかふかの布団に包まれるような音楽を奏でていく。ベースの役割をするファゴットも、ホルンの柔らかさを、これまた下からふわっと支えるようになっている。オーボエは特有の、高く細く、ちょっとキツメな音色なのだがファゴットと3本のホルンのふわっとした柔らかさに乗っかっていく。でも、聴き終わるとオーボエのメロディの印象が強く残っている感じがして、ホルンは3本もあるのに主役を取られてしまったか、と思ってしまうのである。


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