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ベートーヴェンを毎日聴く261(2020年9月17日)

『ベートーヴェン/悲劇「タルペイア」のための勝利の行進曲WoO 2a』を聴いた。

悲劇「タルペイア」はクリストフ・クフナーという人物により作られた劇作品。クフナーは軍事局に勤めながら、このような劇作品を作ったり、今日でも当時のウィーンの生活文化を知るうえで重要な資料となっている雑誌の編集長を務めたりしていた。

ベートーヴェンはこのころ、経済的に苦しくなっていた。パトロンからの収入減少にインフレが追い打ちをかけていたので、次なる作品のネタを探し回っていたようだ。その時に出会ったのがこの「タルペイア」であった。

劇の一部の場面だけに使用される音楽なので、オペラの様に音楽が常に鳴り響くわけではないが、これでも少しはベートーヴェンの懐を助けたのではないだろうか。

凱旋行進曲ということで英雄たちが堂々と戻ってくる場面が思い浮かぶような曲。ナポレオンがウィーンへ迫ってきたころから軍楽用の作品をいくつか書いていたのだが、それは結果的に、このような劇音楽にも生かすことができたのではないだろうか。

タルペイアの物語については以下を参照いただきたい。

タルペイアが殺害されたという砦があった場所は「タルペイアの岩」と名付けられた。今ではイタリアのローマの観光地のひとつになってるが、岩が張り出したこの場所から罪人を突き落とすという処刑場としても使用されていた。いまでは市街地の一部だがこの場所で数々の処刑が行われていたと思うと背筋がゾッとする。


Matthias LemmによるPixabayからの画像

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