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王道ジャズを聴く<Charlie Scott's Bar>デンマークでジャズを浴びる4

「デンマークとスウェーデンで北欧ジャズを全身で浴びる旅」をピアニストの視点からレポートする、第4回はデンマークの首都、コペンハーゲンにある有名ライブハウス Charlie Scatt's Bar です。


Charlie Scatt's Bar はデンマークのベスト JAZZ 会場にも選ばれたこともある人気店。デンマークジャズフェスティバルの会場でもある。ここのライブ開演は22時で La Fontaine の21時よりさらに遅い。

ここは伝統的なメインストリームジャズがウリらしい。お店のコンセプトがはっきりしているのはいいなあ。選びやすい。聞きたくて北欧まで来たジャズではないけど、その周辺も聞いてみたい。

リーダはトランペットとボーカルの男性だな。パリか戻ってきたところだと書いてある。ヨーロッパのミュージシャンは国をよく行き来するな。バックの3人はスウェーデンだというし。

Bjorn Ingelstam - Trumpet, Vocals
Calle Brickman- Piano
Simon Petersson - Bass
Olle Dernevik - Drums

道沿いのドアを開けて二階に上がるとそこはスポーツバー。そこからさらに三階に上がるとドアがあって、開けるとそこがライブバー。入り口に人がいて、そこで 150DKK(約3千円)を払う。ここはカードは使えずモバイルペイか現金のみ。モバイルは通らなかったので現金で払ったが、これがなんと、デンマークで初めて使った現金。デンマークでは現金減らない。

余談だが、デンマークのキャッシュレスの普及は凄い。それもスマホやカードをタッチするだけ。自分のクレカがタッチ対応になっていたの知らなかった、助かった。VISA とマスターカードはタッチ決済できたが、この JCB はタッチ非対応だね。JCB 好きなのに。

アップライトをこういう角度で置くことはないな、日本では

ドアを開けたら、22時少ししか過ぎていないのに、すでに演奏が始まっているのにまた驚く。デンマークの有名ビール Carlesberg を 54DKK で買う。デンマークはピルスナーが多くて嬉しい。すぐ酔うのは時差ボケのせいね。IPA もかなり美味かった。ビール王国。

曲のコメントです。

  1. The more I see you がすでに始まっていた。なかなかいいバンドだなあ。ドラムが特にいい。シャープで小気味よく、小技も冴える。ずっと見てられるし聞いていられる

  2. I'm through with love チェットベイカーが好きと言っていた。MC は英語だなあ、やはりツアーしてる人はそうなるのか。おれにとってはありがたい、デンマーク語は全く分からずだから、、スウェーデンから来ているメンバーのためかも知れない

  3. And then she stops 知らなかったが、ディジー・ガレスピ―の曲ということ。アフロ・キューバンのご機嫌なラテン。ドラムが生き生きとしてるのがいい。

  4. Autumn In New York バラード。長めのピアノイントロが雰囲気をしっかり作る。急がず焦らず、テーマへのつなぎ方もとても参考になる。そこにトランペットが上手く受けてテーマへ。しかし調律がひどいなあ、このピアノ。こんなにひどいところは日本にはなかなかないぞ。バラードなので、カウンター前の若いカップルのベタベタ大会もさらにヒートアップ。バラードでなくてもいずれはヒートアップ。ドラムのツービートのスティックがかっこいい。

  5. Because it's fun これは Not Adderley の曲ということ、Up tempo swing

  6. Cermonet to Ray Charles とメモしてるけど、こんな曲あるのか?これもNat Adderley の曲と言っていた。

以上、約70分のステージ。チェイサー無し。ドラムの存在感とセンスが際立っていてた。メンバー紹介でも、ドラマーだけ特別扱いだったので、ちょっと別格の方なのかな。ピアノは楽器でずいぶん損をしていたと思う。本当は音が美しいタイプと思った。ソロ回しをリーダーが指図していたなあ。

今回も思ったが、ゆっくりとジャズを聴く習慣がコペンハーゲンにはある。都会のナイトライフの一部になっている。若いカップル、若い女性のグループ、カウンターでひとりで飲む紳士、デザイナー風のお洒落な男性、お年寄りのグループも落ち着いて聞いていて、23時過ぎても帰る気配がない。ライブを楽しむ国民性があるのかな、素晴らしい。

聞きたくて北欧まで来たジャズではなかったけど、楽しかった。デンマークでもメインストリーム王道ジャズは愛されている。

今夜はライブをハシゴして疲れたな。23時半だからもう帰ろう。おや、さっきまでの雨が雪に変わっておるではないか。

ボーカルとトランペットの持ち替え

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