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痛みを大切にしながら前を向く

わたしは今、認定NPO法人PIECESのプログラムであるCITIZENSHIP FOR CHILDREN(以下CforC)のみつめるコースに参加しています。先月の22日に第2回目のゼミがあり、そこでPIECESが大切にしているというリフレクションが3人一組で行われました。それは、子ども(もしくは家族や知り合い)とのやりとりで印象に残っているできごとを1つ取り上げて、子どもや自分の内にある願いは何だったのだろう、というのを質問されながら考えていくものです。ここでの発見について書こう思いながらもなかなか書けず、気づけば9月になってしまいました・・・。


そのできごとは7月18日のハッピーサッカー教室という、子どもが集まってみんなが楽しめるようにするには?を考えながらゲームをする場に参加した時のこと。(以前別の話題でも書いたので、よかったらこちらもぜひ。)イベントの最後に通常のルールとは少し変わったサッカーを行った。それは、シュートを決めたら1点ではなくシュートを決めた後にそのチーム全員で同じポーズを取れたら1点、というもの。
わたしは未就学児4人のチームのアシスタントにつくことになり、どんなポーズにするかの話し合いに一緒に参加した。話し合いが始まると「これは~?これは~?」と次から次へアイデアを出してくれる女の子と、「やだ、やだ」と言う男の子と、今なんの話をしているかよくわかっていなそうな感じだけどにこにこ楽しそうにしてる2人の子どもに分かれた。
う~ん、どうしようかと思いつつ、わたしは男の子が気になっていた。だから男の子に、どんなのがいいと思う?と聞くことから始めたのだけど「わからない」と言われたので、じゃあ少しでもいいなと思うポーズが見つかれ~と願いながら、(女の子が提案してくれたものに対して)これはどう?こっちは?と聞くことしかできなかった。結局サポートなんて何もできず、主催の方が様子を見に来てくださったタイミングでたまたま女の子が取っていたポーズにそのまま決まった。

このポーズどう?と男の子に聞き続ける中で、わたしの頭ではそもそもポーズを取ることが嫌なのかもしれないとか、(敵チームに仲良さそうにしていた子がいたので)ほかのチームがよかったのかもしれない、という考えがよぎった。このできごとを別の観点からゼミ生に持ちかけた時にも先生から、その子はそもそも「サッカーをするのが嫌だったのかもね」「ただ駄々をこねているだけかもね」「この場にくることが嫌だったのかもね」という話が出てそれも確かにと思った。同時に「まぁでも、それは本人に聞いてみないと分からないよね」とも言われ、実際はできずに終わってしまったけど本当にその通りだった。
話し合いの時もみんなが納得できる方向に進むようなサポートがしたいという思いがあったし、だからこそ本当は聞きたい知りたいという思いがあった。でも、もし聞き始めたら運営を滞らせてしまうのではないか、変にその男の子が注目されてしまうのではないだろうか、ということが頭をよぎってしまい聞ける勇気も持てなかった。
男の子の願いがどんなものだったのか本当のところは分からないけど、リフレクションを通して考えた時に、単に困らせたいとかじゃなくて、嫌だよってサインに気づいてそれを汲み取って何とかしてほしかったのかなって思った。

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ここまで読んでくださっている方にはもう伝わっている気がするのだけど、わたしは自分の関わりにもやもやを通り越して後悔しているのだと思う。わたしはこの経験からルールとかに自分自身が縛られずに目の前の子どもの思いに寄り添いたかったんだなと気づいた。それは自分の中学でのできごとに関係していたことにも気づいた。詳しくは書かないけど、中2の時の担任がよくわからないウワサを信じてしまい、そんな責められることでもないのになぜか呼び出され、注意された。その後に自分の思いを個人の日誌的なものに書いても注意され・・・ショックだったしもういいやと諦めた経験がある。
リフレクションをすることでそこ繋がってんの!?という驚きと発見があったし、だからこそ自分の心の中にずっと居続けていたんだなぁって思った。わたしは男の子に対して、自分がされたことと同じことをしたとは言いたくないけど、でも似たようなことをしてしまったことは事実なんだと思う。リフレクションでは評価はしないのにバリバリしてるなぁ・・・。だから凹んだ!でも結局わたしは子ども好きだしこれからも関わりたいからこそ、この経験を忘れず大切にしながら次の行動に変化を起こしていけることが大事なのだと思っている。次は、勇気を出して一歩歩み寄れたらいいな。


今回はリフレクションのことを書きましたが、わたしが参加しているこのCforCは、子どもの心の孤立の解消をミッションに掲げる認定NPO法人PIECESが行う、地域の市民性を醸成するプログラムです。
子どもの日常にかかわる人たちの市民性の醸成・エンパワメントを通じて、
様々な背景を有する子どもたちに対して柔軟で主体的なアクションが生まれる土壌づくりを行っています。
Twitter(CforC):https://twitter.com/cforc_pieces
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次回の応募をご希望の方向けに、メールマガジンも送っているので、ご希望の方はぜひご登録ください!
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