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終わりなき戦い

私は位置ゲームは基本ひとりで楽しむ派。
ところがレイドバトルが始まった頃から友達が出来た。

毎日同じような顔ぶれで同じ時間に同じ公園に集まっていれば顔見知りになる。

世間話をするようになるのにそう時間はかからなかった。みんな大人で社交性がある。

それぞれに立派に職を持ち、余暇を楽しむためにゲームをする人や健康管理のため歩くことを促すこのゲームにハマったと話す人色々いた。

かたやぷらぷらと無職で子どもを抱っこ紐に抱えて遊びに来ている私。家事と育児で手一杯といいながらきちんと余暇を楽しませてもらっている。

月とすっぽん。月の方々は快く受け入れてくれて話をしてくれる。嬉しい。


SNSで近所のプレイヤーのアカウントと繋がってからは待ち合わせをするようになった。これもまた嬉しい。

人との会話が苦手になってしまった私にとって唯一の心許せる友人たちだ。

共通の趣味があるだけでこんなに楽しみの幅が広がるなんて思わなかった。

思えば独身の頃に、ある時からこぞってジム通いをはじめた同僚を横目にうじうじと自宅に閉じこもってしまった私。

たられば言っても仕方ないが、あの時に同僚と多少無理してでもジムに通っていればもう少し健康的な筋肉のついた締まったBODYと健全な精神になっていたのかもしれない。

一人でジムに加入する勇気が持てない。
育児でそもそも時間が作れない。
こうやってまた言い訳をしてしまう。うじうじ。


この位置ゲームで一日最近7キロ程歩いていることに気が付いた。やり込めばやり込むほど歩けるようになっていくのだ。しかも無料で遊ばせてもらっている。

いまや毎日ジムに通って自陣カラーに染めている。ジムといってもポケモンGOのジムだ。

(↑今日はこちらの続編になる)

最近新設されたジムのバッジレベルをあげたくて、周辺のプレイヤーが入れ替わり立ち替わり火花を散らしている。

別カラーのポケモンを倒して自分のポケモンを配置するとジムランクを上げるための経験値がもらえるからだ。

金バッジにしたくてジムにせっせと通う。砂糖に群がる蟻のように同じようなプレイヤーが集まってくる。

TL40になると滅多に砂糖が無いから余計に餌に敏感になる。きっと皆、周囲のジムは金になってる勢だ。


そして田舎特有の複アカ問題にぶちあたる。一体だけ置いても複数の端末で一気に倒され、防衛面でも非常に不利だ。

これが地味に辛い。自分の持っていない武器を持っている相手と戦うのは悔しさもある。一矢報いて、一泡噴かせたい。

SNSで心境を吐露すると同じような同志がいた。
近所に住んでいる同じ色の友人だ。

その友人とレイドで集まったついでに付近の複アカが占拠するジムを攻撃した。友人とジムを更地にしていく作業は楽しい。2人でやれば倒すのも速い。スピード感が病みつきになる。いつも冷や飯を食っている身としてはご馳走だ。

これを複アカプレイヤーは普段からやっているんだと想像するとまた悔しい。

会話をしながらだとまたあっという間に落とせる。ソロプレイをしていて感じる小さなモヤモヤをお互いに共有しあう。言葉にするだけで随分と気持ちが軽くなる。

ゲームをやらない人にはストレス抱えるならやめれば?と言われがちだが、真剣だからストレスを感じる。同じようにジム活をしているピアジムファイターだからこそ分かる。


ポケGO系YouTuberはジム活をしないと公言している人もいる。物理的に近くに悪意を持った人と競り合いたくはないし、ストレスを抱えたくないと話していた。真っ当なことだ。


リアルなトラブルに発展しないようにはだけ気をつけている。時々、警察沙汰になっているほど熱中する中毒性があることだけは頭の片隅に留めている。

そして今日のポケコインは上限をもらっているため、配置するポケモンは弱めのを。言わば赤ちゃんのようなポケモンをソッと置いた。

いい時間になったので名残惜しいが別れて、爽快感と共に帰宅した。お互いに主婦だから本業の夕食作りを疎かには出来ない。

さっき複アカのポケモンを倒す時に複アカ以外のプレイヤーのポケモンも巻き添えで倒していることがチラッと頭によぎった。

ジム後に帰ってからする家事は不思議とはかどる。
考えながらも手は止めない。

複アカの後ろ2体は複アカとは無関係の人だった。あまり見かけない名前のプレイヤー。大通りに面しているから多分通りすがりだろう。

洗濯物をたたみながら考える。

ジムに配置して1時間以内の通りすがりの人のポケモンも倒しまくった。ごめん。

料理を煮込みながら、複アカとやってることは実質同じじゃないかと…ハッとした。しかもダブルス。

所有者は違えど複数の端末でジムを更地にして、ジムランクをあげたい所には倒されにくいポケモンを配置した。

金ジムは更地のままでは見栄えが悪いので、小さくて可愛いポケモンを置いた。

「倒しやすいポケモンをあえて配置する」
そこくらいしか複アカと違いがない。

あとは全てのジムを片っ端から自陣カラーにしないことと倒されてもすぐにやり返さないことは大きく違う。

今日は友人と一緒だから少し気が大きくなってしまった。悪いことしたなと反省する。久しぶりに外で人と話して喉も疲れた。普段室内だと出さない音量、喋らないと喉も衰えることを実感する。

今日は複アカも大人しくなったかもしれない、しかしそんな事はなかった。料理を終えてポケGOを開くといつもの複アカのプレイヤーに占拠されていた。

まさに終わりなき抗争だ。

無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。