逞しさと繊細さ-スーパーヒロインきりこ
きりこはぶすである。という衝撃的な一文で始まるお話。
(西加奈子さんの本はいつも最初の一行が楽しみ)。
西加奈子さんの書くキャラクターが好き。
みんな自分の信念に沿って行動している。
両親に愛されて育ち自分が”ぶす”だなんて思ってもいない、きりこ。
でもある日とうとう気づいてしまう。
それも好きな男の子からの一言、という最悪な形で。
それから失恋して引きこもるのだが、そこからの
流れが本当になんていうか…西加奈子さん大好き!って感じ(笑)
猫たちを連れてちせちゃんを助けに行くシーン、本当に素敵!!
カッコ良いんだけど笑っちゃうような、泣きたくなるような…
傷を克服して誰かを救う、本当にヒロインみたいなんです。
それからもきりこは”ぶす”であることに変わりはないんだけど
AV会社の副社長というぶっどんだポストに就き、
猫たちをしたがえて、「わたしはわたし」と生きていく。
きりこの逞しさがすごく刺さった。
出会えて良かった1冊です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?