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front of wall

暗くて 冷たくて 見えない

苦しくて 辛くて 泣きたい


どこにも行き場が無くてずっとここでさまようの
気持ちだけが焦りだけがとめどなく増えていく
どうしたいのか自分でもわからない
ここは暗い。

引き返すことはできるかもしれない
迷惑をかけるかもしれない
だとしても、戻ってみたい。
ここにいるのは辛い。

私の目の前に急に表れたこの壁の向こうには何があるのか
見たい景色なのか、見たくない光景なのか、わからない

震える手で壁を触ると冷たい。

不安でたまらなくなって立っていられない。
しゃがみこんでみるとこの壁はさらに高く感じる

「こっちにおいで」

安心するような柔らかな声が聞こえて
涙が溢れる

行きたい。行きたいのに行けない。

声のする方にどうしたら行けるのかわからない。
見えないの!!!!

「こっちからだよ」

会いたい。越えたい。

声はどっちから聞こえる・・・・。
この壁はどうしてこんなに高いの
行きたいのに。

「こっちに来て」

声が、、、、後ろから聞こえる?


どこ?
うしろ?
もっと?
近い?

立ち上がり、暗い中5歩ほど壁から離れてみる

あ、あれ。この声だ。すぐに声と会えた。

「あっち、見てみて」

でもあっちは暗くて、怖くて、、、、、。
恐る恐るさっきまでしゃがみこんでいた高くて冷たい壁の方を振り向くと
明るくて爽やかな草原の中に一つのオブジェが立っている
おそらくちょうど自分と同じくらいの背丈かな。

ああ、あそこでぶつかっちゃたんだ。

ここからなら全部見える

オブジェの無いところを進む方法も、オブジェの登り方も。

一緒に行こうと声をかけると声はもう聞こえない
また一人ぼっちだ。

でも大丈夫。
もう、大丈夫。

見えていれば進んで行ける


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