見出し画像

梅シロップでQOLが上がる話

子どもの頃、母や祖母が作った梅酒がうさん臭く感じられて仕方ありませんでした。

「それ、いつ漬けたの……?」
「てかまだ飲めるの……?」

梅酒は年数が経っても美味しく楽しめる優れものであることを知らない私は、とにかく「去年漬けたのなんてアヤシイ……」と避けていました。
おかんこの梅酒いつ漬けたの問題は、程度の差はあれど結構なあるあるだと思います。
これが不思議なもので、毎晩晩酌する人がいても何故か梅酒は貯蔵されまくってあまり減らないんですよね。
で、「これいつの梅酒だ?」となる。

私は大人になった今でも、お酒は冠婚葬祭以外ではほとんど飲みません。
しかしある時、母が漬けた梅酒がふと目に留まった。いつも通り「これ、いつ漬けたの?」と聞いてみると、「今年だよ」との返事。

その時ふと「これが母の最後の梅酒になるかも」と思いました。
30代も後半になると、衰えていく親の姿に「あと何年生きてくれるのだろう」と考えるんですよね。
私の母は二度ほど脳梗塞で倒れていますので、余計に「これがお母さんが作る最後の梅酒かも」と思ったわけです。
実際は今もピンピンしているのですが(笑)

とにかく。ほとんど誰もお酒を飲まないのに、思い出したかのように作られる”おかん梅酒”。夏の夜、気まぐれに試飲してみる。
これがうまいのなんの!
梅酒はチョーヤ梅酒しか飲んだことがなかったのですが、お手製梅酒のフルーティーな美味しさに目から鱗です。最早別物レベルに美味しい!

それからおかん梅酒に対するイメージはアヤシイモノから、美味しいものに変わりました。
私よりも多少お酒の飲み方を知っている父と姉から炭酸割も教わり、ちびちび梅酒を楽しむ。毎日でも飲みたい味! だけどやっぱりアルコールはいらない。

となると作られるようになるのは梅シロップです。そして作り手は母から姉になりました。
毎年初夏になれば梅シロップを作って、暑い日には皆で梅シロップソーダを楽しむ。
夏バテ防止にお酢を入れてみたり、きび糖で漬けたりと自家製梅シロップを思う存分堪能します。

そうすると今度は梅以外にも色々な果物シロップを試したくなる。
サクランボやかんきつ類、それからもう少し手軽にフルーツウォーターにしてみたり。
夏の暑い日にはさっぱりしたフルーツが活力になる。
たったそれだけのことですが、QOLがすごく上がった気分になれるのです。


#わたしの習慣


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?