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【鑑賞ログ】君たちはどう生きるか※ネタばれあり

かなりお久しぶりの投稿となってしまいました。。。笑
妹からのリクエストで熱が冷めないうちに書いてみようかと思います。

ネタばれ要素たっぷりでお届けいたしますが、抽象画のような作品だと感じたのでストーリーを追うというよりは印象的な場面を抽出するという「わかる人にはわかる自分なりの解釈」を自分の感想と2人の人物との会話から展開します。



前提:ジブリ作品に対する印象

私の父は完全なるジブリ脳で、
・「ナウシカのように育ってほしいなあ…」→未だに意図は把握できてない
・私の上京時には「実咲はキキのように飛び立ってしまうんやな…」
・積乱雲を見たら「あ!あそこにラピュタあるで!」
というなんともファンタジーな湖北の頑固おやじです。
LINEスタンプ好評発売中!笑)

そんなおやじの元に育ったのでジブリ作品は昔から身近にあり、ほぼすべての作品を繰り返し鑑賞しております。
ジブリで育ったというと過言ですが、ストーリーの面白さだけでなく、登場人物の生きる強さや年齢を重ねるにつれて見え方が変化するところなどにも魅力を感じており影響を受けてきたように思います。
そんなものの見方をするやつの感想、ということでお付き合いください。

初見の感想:清濁併吞の強さ

冒頭の空襲の中で母を追いかける絵の強さや、ジャムパンの表現など絵として心惹かれる場面も多くありましたが、
一番印象に残ったところはクライマックスの大オジと眞人のやりとりです。

記憶に基づいてざっくり説明します。
理想郷を管理する大オジは世界が繊細な均衡でようやく保っていることを把握しており自身の後継者を探しています。「悪意のない積み木は13個しかないんだ。この美しい世界を維持する仕事を引き継いでくれないか」と眞人に白い積み木を積むよう求めます。
眞人は頭部にある自分でつけた傷を触り「この傷は自分でつけました」自分でつけたにも関わらずあたかも他人にやられたように見せ本当のことは誰にも言ってこなかった傷です。「僕にも悪意はあります。だからその積み木には触れません。」と言い自分の中にある悪意とともに生きる道を選びます。

この場面を鑑賞したとき、私は眞人の強さに感嘆し、大オジに自分を重ねていることに気づきました。私にこんなにまっすぐ自分の悪意を受け入れる強さはあるだろうか。

悪意があることを認知することは割と素直に受け入れる方だと思います。しかし、そこから私は大オジ同様その悪意を排除すべくどうすればよりよく生きられるかを考え努力することを選択することが多くありました。(会社の人材ポリシー策定のとき、先輩から「脱皮」というポリシーは原田さんだと言われたほど)
もちろん、上記はいい側面も多分にありますが、映画の中にあったように繊細なバランスが必要となる、気づかないところで無理が生じる(インコだらけになる)、自分がいないと成り立たない世界になる側面もあったのかと振り返りました。

眞人もその悪意をそのままにするというわけではないのだと思いますが、排除するのか受け入れてそれでも前に進むのか、ここにピンときたということは今の私に必要な観点かもしれないということでしばらく胸にとどめたいと思いました。

妹との会話:登場人物の背景の見方

妹と感想交換をしてみました。
感想はあってる、間違っているということが全くないからこそ、多様な見方が合っておもしろい…!

妹「正直面白くなかった。主人公の父が奥さんの妹とくっついたのがむかつきすぎて話が入ってこなかった。」
私「戦争時に家を守るためにはしょうがないんちゃう。」
時代背景から考察される方はいらっしゃるかもしれませんが、今回はそういった話ではなく、
ふたりの性格の違い、自分の感性に真っ直ぐな妹とあるべき論に引っ張られる私、が登場人物に対する見方につながっていることが面白いと感じる瞬間でした。

同期との会話:宮崎駿監督について

LDCの同期と感想交換をしてみました。
同期によると、ドキュメンタリーで今回の作品は宮崎駿の幼少期の経験をベースに描かれており、眞人→宮崎駿監督、アオサギ→鈴木敏夫プロデューサー、大オジ→高畑勲監督をイメージして作られているとされていたようです。

宮崎駿監督から見た3人の関係性と見ると、また見方が変っておもしろいねと話していました。
83歳の宮崎駿監督がここまで走り続けられたことは二人の影響なくしてはなかったのだろうと想像すると、
80歳まで働きたいと思っている私としては感慨深いものがあると思いましたし、だれと働くかだれと学ぶか、この出会いを大事に育める人になりたいです。
鈴木プロデューサーが「宮さんは乙事主だ。死んでも死なない。」と言っていたそうですが、かっこいいですね…めちゃくちゃいい関係とこの前のめりに生きる感じ憧れます。

まとめ


つらつら感想や知人とのやりとりから得た考えについて書いてきましたが、
改めて自身のものの見方・考え方を振り返るいい機会だったと思います。
また、ライフステージが変ったときに鑑賞したら違う感想を持つのだろうと考えると今からわくわくします。

気づけば2000文字近くなって、妹から早よ投稿しろとメッセージが来たのでそろそろ終わります。笑
お付き合いいただきありがとうございました。

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