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起業家兼会社員という選択肢

こんにちは、がぱけん(@gapaken335)です。
家電メーカーでマーケティングとして働く傍らD2C企業の代表を務めています。
このnoteは、シリーズ「D2C事業立ち上げのほぼ全部」のひとつ。

このシリーズは会社員が会社に勤めながら事業を開発するプロセスを、気持ちや戦略策定から資金調達まで細かくまとめて行こうという企画です。

各記事へのリンクを整理したまとめ記事はこちらなのでよかったらみていってください。

今回のテーマは、「起業家兼会社員という選択肢」について。
冒頭で述べたように、僕は起業家と会社員の二足の草鞋を履いています。

リモートワークが発達し、副業が推奨されているこのご時世。会社で働きながら自分で事業を立ち上げてみようという方々も一定数いるのではないでしょうか?

このnoteでは、兼業起業のメリットやデメリット。当事者として感じること等を等身大の目線で語っていこうと思います。

ちなみに起業を選んだきっかけはこちらのnoteにまとめています。

もし興味があればどうぞ。

それでは本題に参りましょう。

なぜ二足の草鞋を履くのか。

まずは動機から語っていきましょう。
「なぜ兼業起業なのか?」という問いへの答えは簡単。
「金銭的に立ち行かなくなるリスクを防ぐため」に他なりません。

当然ながら起業にはリスクが伴います。
1期目から毎月黒字の事業はレアケースですし、順調に見えていた事業も、外部環境の変化で立ち行かなくなった話なんてザラに存在します。

ただし、事業が赤字になろうが、売掛金が回収できなかろうが、家賃はかかるしお腹は空くんです。

リスクを極限まで排除するためには、会社で働きながら起業することが最善でした。とってもシンプルな論理です。

何事もトライ&エラー、何事もスモールスタートです。

数年かけて準備をして、生活防衛資金を貯めて、えいや!っと独立するよりも、「まずやる」ということの方が数倍重要だと考えます。

何かしら事業を営んでみようか悩んでいる方、今すぐとりあえずやってみましょう。

大丈夫です。リスク管理すれば死ぬなんてことにはならないので。


兼業起業を実現できる世の中になってきた。

なぜ兼業起業なのか?のもう一つの答えが「実現性が十分あるから」です。

兼業起業の一番の課題は「時間の捻出」だと思います。

会社員勤務だけでも一日8h×平日週5日、とにかく時間がありません。

おそらく10年前の世の中だったら、こんな状況で事業を1から立ち上げるのは相当難しいことだったんじゃないでしょうか。

でも今は違います。
2022年の日本には兼業起業家に2つの追い風が吹いています

一つはリモートワークの発達。
2020年から猛威を振るっている新型コロナウィルスのパンデミックは、コラボレーションの形を根底から覆しました。
これにより、通勤時間という非生産的で、ストレスフルな時間がバッサリとタイムスケジュールから削除されました。

外に出る準備や余裕時間を含めて、片道1hの距離であればざっくり2hも自由時間が増えるのです。睡眠や家事や風呂等のを除いた平日の可処分時間は従来2.6h程度と言われていたので、単純に平日の時間が倍近く増えたことになります。

そのほかにも、地方の工場とZoomで打ち合わせをしたり、勤務の昼休憩にメールを返す等の動きも非常にやりやすく、とてもありがたい環境です。

もう一つは自動化の選択肢が多いこと。

会社員として働きながら事業を運営するとなると、平日のワーキングタイムの即時対応は困難です。

しかしながら、私が現在開発をしているD2C事業は、生産、物流、EC販売といったオペレーショナルな部分の多くを自動化することができます。

もちろん企画や開発、コミュニケーション設計等の根幹の部分は担う必要がありますが、そのあたりの仕事は即時性を求められないことも多いのです。

オペレーショナルな部分は自動化し、クリエイティブな部分は非同期的に進める。これを確立することで平日朝夜と土日の時間で十分事業を前に進めながら運営することができると考えました。


ワークライフバランスからワークアズライフへ

効率的に仕事を進めるといっても、実質的に人の二倍働くということに変わりありません
事実、現在僕は土日祝日、及び平日の早朝や夜間、会社員として働いていない時間のほとんどを事業開発に充てています

このように書くとブラックな環境だと思われる方も多いかもしれませんが、僕自身、ほとんどストレスを感じておらず、心身共にすこぶる健康です。

一人社長という形態は会社員と比べ、社内調整や付加価値を生まない作業をする必要がほとんどありません。

全責任を自分で負う代わりに、やりたいことを、やりたいようにやる。

この状態は「仕事」という概念を大きく変えます。
もはや「働く」という意識はなくなり、生活の一部となるイメージ。
昔、落合陽一が唱えていた「ワークアズライフ」という言葉が近いかなと思います。

時間としては取られているが、ストレスがなくて、何より楽しいのです。
誰に頼まれたからでもなく、生活に困窮しているからでもなく、ただ自分がやりたいから仕事をする。
会社員での長時間労働とは明らかに違う感覚だと思いました。

ちなみに気を付けるべきは絶対に睡眠時間は削らない事
人間寝ないとパフォーマンスが落ちます。そうできているのです。

作業量も重要ですが、事業の成功は発想や意思決定の質の方がインパクトを持つと思います。寝ぼけた頭で適切な意思決定をすると、事業の寿命を早めることになります。

絶対にしっかり寝ましょう。


会社員を絶対にサボるな。

起業家兼会社員として働く際に、強く注意してほしいことが「会社員としての仕事を絶対に疎かにしない事」だと考えます。
これは、おそらく副業や兼業をしている人の多くが陥りがちな罠です。

日本の会社員の多くは、成果と報酬が短期的には相関しません。
全力で成果を出しても、せいぜいボーナスが少し増えるくらいのものでしょう。

対して自分の事業は得られた利益がそのまま自分の所得に直結します。
頑張り次第で所得を二倍にも三倍にもできる世界なんです。

こんな環境ではだれでも会社員としての仕事よりも自分の事業を優先することになるのは明らか。でもそれは、自分の事業のためにもおすすめしません

理由は三つあります。

まず一つ目に、勤め先からの学びがあげられます。
大きい会社にせよ、小さい会社にせよ、自分の勤め先は法人としては大先輩にあたります。勤め先の戦略、技術、商品、成功要因、失敗要因など学ぶことは非常に多いはずです。そして、そうした学びを得るためには、勤め先のことを本気で考え、自分の仕事に向き合うことが必要です。

薄いコミットや思考からは薄い学びしか得られないのです。

二つ目に、応援者が減るからというのも大きなポイントです。
特に僕のような一般消費者向けの商品販売であれば、よっぽどのことがない限り最初のお客さまは身内です。会社員をサボって作った商品を会社の仲間は買いたいと思うでしょうか?答えはNoです。

また、立ち上げるのがBtoB事業でも、多くは現在の勤め先に関連したビジネスを始めることが多いと思います。
何らかの形で支援者になりうる仲間を裏切らない方が良いに決まっています。

世の中のビジネスは想像以上に人とのつながりでできているのです。

最後の理由は、自分に誇りを持てなくなるから
これは個人的な話にはなりますが、僕は「自分に誇りが持てる状態であり続ける」ことを軸として日々過ごしています。

「会社員としての仕事をさぼって自分の事業を軌道に乗せる」という行為はその判断軸からすると、取るべきでないものです。

勤め先に対する不義理は、自分自身の不義理となり、まわりまわって自分の首を絞めることにつながる。僕はそう思います。


虫の目と鳥の目。

起業家兼会社員ならではの学びについてもう少し語りましょう。

特に顕著なのが視座だと感じます。「現場目線と経営目線の両方の視座を持てる」ということはとても大きな強みになります

組織の基本は分業制。設計や営業など、仕事を分けて得意な事に集中することで効率化します。
会社員として働く場合、その会社が大きければ大きいほどより専門的な分野でプレーすることが多いでしょう。
そこから見える景色は、現場目線のいわゆる「虫の目」です。

一方で自分でビジネスを立ち上げるのであれば必要なのは事業の全体最適です。ビジネスモデル、お金の流れ、環境や競合等を俯瞰的に見てどの道を行くのが最適なのかを考える、経営者目線の「鳥の目」が身に付きます。

多くの会社員は経営経験がありません。
「経営がわかる営業」や「経営がわかる設計」はそれだけで価値が数倍に膨れ上がります。

反対に、事業を経営する側としても、プロフェッショナルとしての経験やスキルは必ず活きるはずです。

鳥の目と虫の目を高速で行き来することで、会社員と自分の事業の間に相互的なポジティブフィードバックを生み出せると考えます。

ちなみに僕自身、勤め先に経営目線の提言、提案を自主的に実施していたところ、いくつか採用されましたし、その行動が評価され、昇進が決まりました。やったぜ。


「放っておいても死なない」の功罪

この段では、起業家兼会社員の特性についてお話しましょう。
独立起業と異なり、兼業起業には当然ながら安定した収入があります

店舗の家賃等の固定費が少ない事業の場合、たとえ収益がゼロでも、お金が底をつく可能性はほとんどありません。

すなわち、「放っておいても死なない」のです。

これはとてつもなく大きなメリットとなります。

具体的に言うと、時間に縛られにくいんです。開発期間を長めにとれますし、その間に見込み顧客へアプローチすることも可能です。「まだ商品として不完全だけど資金が底をつきそうだからリリースする」等の中途半端な意思決定をする必要もありません。

しかしながら、同時にデメリットにもなりえます。

「放っておいても死なない」ということは、反対に言えばいくらでも時間をかけれてしまう。ということなのです。

人間は与えられた時間をフルに使おうとする習性があります。
そして、往々にしてモノづくりには100点満点のゴールがありません。

僕自身も感じていることですが、時間がある、売らなくても死なないからこそ、売るための動きがやや鈍ります。
そして時間をかけている間にも市場は変化し、競合も強くなります。

のんびりしている暇はありません。
いいから早く動きましょう。

ちなみにそうならないためのコツとしては、「スケジュールを他人に宣言する」ことが有効です。

FacebookでもTwitterでも家族でも同僚でも、とにかく人に言って逃げ道をふさぎましょう。やらなければならない状況に身を置くことが、やらないことを防ぐ最大の手法です。


結びとして。

会社員兼起業家としての道をある程度進んでみて、個人的には非常に心地よい状況だと感じます。

はじめる前は時間的、精神的余裕が無くなってしまうのではないか?
と危惧しておりましたが、今のところはそんなことありません。

安心してください。兼業起業、全然できます。

冒頭でも少し述べましたが、何かチャレンジするにあたり一番重要なのが詰まないリスク管理と実際の行動です。

会社員をやめなければ、事業で失敗しても死ぬことはありません。
そしてもし仮に万々が一、失敗してしまったとしてもその経験は多くの学びをもたらすはずです。

このnoteを見て、ひとりでも多くの人が、自分のやりたいことにチャレンジする気になっていただけたらとてもうれしく思います。

お読みいただきありがとうございました。


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