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P.ドラッカーを通じた経済哲学

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Pドラッカーの著書を読み、学習したことをまとめる。
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知識が生み出す階級闘争

知識が生み出す階級闘争

「技術」と「知識」「技術」と呼ばれるものは非常に短期間で世界に広がってきた。

イギリス人ロジャー・ベーコンによって1270年頃生み出された老眼鏡は、船も陸路もほぼ無い時代ですら、たった40年後にカイロやモンゴルにまで広がった。

19世紀に発明されたミシンや電話機も同じような速さで、世界中にその技術が伝搬された。

1990年代に誕生した携帯電話が、10年ほどで貧富の差を超えて世界中の人々が手に

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インターネットにおけるメッセージ媒体(マーシャル・マクルーハン)

インターネットにおけるメッセージ媒体(マーシャル・マクルーハン)

「メディアはメッセージである」これは1900年代中期に活躍した文学者マクルーハンの名言である。

Pドラッカーを初め、日本では竹村健一など多くのマクルーハン研究者を輩出したメディア論の第一人者である。

2016年において1900年代の理論が改めて注目されている理由がある。

彼の言う「メディア」は単なるマスコミではなく、人間同士のコミュニケーションに立つ媒体と考えられる。

そしてその媒体自体が

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継続学習について(ポスト資本主義社会)

継続学習について(ポスト資本主義社会)

今後の日本社会は、継続して生涯にわたる教育機関を発展させなければいけない。

現在は日本の高等教育は成人前かつ若者の教育に限定されている。

しかしこれでは現在まさに起きている社会的な問題を解決できない。

なぜなら現在はまさに従来の資本主義が終わり、ポスト資本主義社会へと変化するからである。

この転換期を迎えている現代では、あらゆるものが流動化であり不安定である。

階級は変化し、一夜にしてそ

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企業は売上や利益中心であってはいけない理由

売上や業界シェアでしか、自らの業績を判断できない企業は早晩立ちいかなくなるはずである。

同じく、利益のみを中心とした企業価値は意味をなさなくなる。

売上や利益は企業の体力を測る重要な指標であることは疑いが無い。

しかしそれらは、顧客の創造の結果産出されたものであり、指標である。

だからそれらは企業の目的とは足りえない。

売上追及にのみ走った企業はその結果、誤った目的を目指す企業風土が出来

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顧客明確化の必要性

「誰にこの商品を売るのですか」「あなたの顧客はどこにいますか」

という問いにしたいして、”全ての顧客”と応える経営者では、その企業の先はもはや風前の灯である。

2000年前後から消費文化は、資材からサービスに大きく変化した。

高度経済成長期から長らく資材の消費・販売に携わった多くの老人たちは

90年代からその社会的な変化に苦慮をしてきた。

この消費文化のサービスに占める割合は、今後も増加

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政治体制の疲弊

日本の政治のあり方が問われるようになって久しいが、

その結論がでたことはなく、また正しいあり方を

示せたことは、戦後以来1度も無い。

現在の政治のあり方は、戦後の復興期の護送船団方式で

語られる政治方式の延長である。

この形態が力を発揮できるのは、国としての力が未熟であるか

発展段階であるかにおいてのみである。

現実に、戦後の復興期からの日本の回復力、

そして韓国、マレーシア、台湾

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