政治体制の疲弊

日本の政治のあり方が問われるようになって久しいが、

その結論がでたことはなく、また正しいあり方を

示せたことは、戦後以来1度も無い。

現在の政治のあり方は、戦後の復興期の護送船団方式で

語られる政治方式の延長である。

この形態が力を発揮できるのは、国としての力が未熟であるか

発展段階であるかにおいてのみである。

現実に、戦後の復興期からの日本の回復力、

そして韓国、マレーシア、台湾、シンガポールなどの

発展段階の国力において、大きな成果を残した。

しかしいまや、日本経済は政治の力に依存はしない。

むしろ、政治のバイアスがボトルネックとなり、

その成長の阻害要因となっている。

なぜなら政治は日本という単一国家内で行使されるものに対し、

経済は国を超えたグローバル足らざるをえないものだからだ。

ブラジルで産出された鉱石とエジプトの原油は、

シンガポール渡り半導体部品に加工される。

その後、韓国に出荷され家電製品に組み込まれ、アメリカに特許権料を支払い、

EU、日本の販社を通じて世界に流通する。

国内での力しか持ちえない政治では、これら経済の力に対応することはできない。

しかるに、今後グローバル化の発展とともに、政治の力は疲弊する一方である。

おそらくどんな長がでてきても、日本全体のバランスを図ることは不可能に近い。

しかし日本においては、今後も大きな力を持つことには疑いの余地が無い。

インフラ整備、国民年金、税金、法律においては、政治を除いてほかに決定機関が無いからである。

現在の一番の病める原因は、政治の老化である。

現在の政治システムは、戦後の成長期に完成したものであり

できてから60年以上も経過する。

明治維新から人口がピークとなった2006年までの日本の成長期には

成果をなしえたシステムが、シュリンクする日本の経済システムに合理するはずが無い。

政治の老化の原因は、体系的な廃棄をしてこなったことによる。

旧来のシステムを壊さなかったために、新しい芽が生えてこない。

植物でもそうであるが、古い葉を切っていかないと、若い枝が生えず、

やがて木が腐ってしまう。

つまり、古い勢力の既得権益が優先され、新しいチャンスにおける投資を怠ってきたため

国としての老化が起こっている。

しかし今後もこれは解消はされにくい。

例えば、日本のGDPにおける農業の生産率は極端に低い。

しかし農業における補助金や交付金を下げることは、その受益者たちが

決して許さないことであろう。

彼らはラウドマイノリティーである。

同様に、日本における製造業がGNPに占める割合は低減する一方である。

彼らはマイノリティーになればなるほど、その要求を強めていく。

しかるに農業や漁業の生産者が国に対して求めた補助額を要求する。

現実に、一般酒類販売店というもはや一般的でも、社会的役割も終焉した

団体が、国に対し自らの保護を要求している。

残念ながら彼らは社会的詐欺であり、多くの既存団体はそこに陥る。

日本の復活プラン、ものづくり日本再生、自給率アップが

声高に、しかもヒステリックに語られている。

しかし、これらの理由により、成功しないことは明白である。

今必要なことは、日本の古いシステムの破壊である。

古い芽をつむことである。

「ギリシャの40%以上の人口が公務員である。しかるにギリシャは破綻した。」

と一部マスコミは揶揄したが、日本は消費税が低い分、自体はさらに深刻である。

ましてや日本の公務員の比率、政治活動者比率、国関連の法人比率、国立大学の研究員は世界でも高比率である。

彼らは、社会の調整を図るが、社会的余剰をなんら生まない。

彼らが存在できうるのは、経済が付加価値を通じて余剰を生んだその瞬間だけである。

日本の人口の減少、グローバル化に伴い、政治ができることは

自らの贅肉をそぎ落とすことでしか機能はできない。

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