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【Home公式放送】話題のやばいゲームを実況プレイ3【配信】〜ふたりプレイ#8〜

コトリ:あー、あーーーー、はいこんばんわ、コトリです。生きとし生けるもの達よ、今日も生きていますか? こんばんわーーー

***:うるさい
***:相変わらずの音量
***:うるさいぞ!
***:うるさ

コトリ:うるさいのくだり、もうネタになってるな? 音量だいぶ下げてるから、俺は騙されませんからね! はい、本日も呪いの時間がやって参りました。『YOU』home公式放送のお時間です! あ、みんな、「さえずりシミュレーター」観てくれた? ……そうそう、あの家守さんが俺のことを監視してくれてます! 頼もしいよね

***:家守さん冷たくて面白かった
***:良いコラボ!
***:家守さん喋って欲しい
***:このコメントの中にいないかな?

コトリ:はい、家守さん、人気者ですよ! 気が向いたらコメントしてくださいねー。ってことで、早速ゲームをはじめていきますか。今日はじめて来た人もいるかな? 一応、ここまでの『YOU』のあらすじを言うと……

***:丁寧!
***:ありがとー

コトリ:まずこのゲームの主人公、【さえずるコトリ】はおそらく上流階級の家の息子で、お受験ママパパ、そして成績優秀な兄とともに暮らしていました。が、高校受験失敗。「あなたなんて私たちの子供じゃない」と、家では存在しない者として扱われているようです。で、彼はどうしたかというと……ネットゲームにハマりました。寂しかったんでしょうね。やりこみすぎ、レベルが強くなりすぎて、最初はヒーロー扱いだったのが、嫉みによるネットのカキコミによって、今度は馬鹿にされ始めます。ネット上でも、のけ者扱いされたところで……

***:『speak』!
***:スピークさん!

コトリ:そう、『speak』という人物だけが【コトリ】に味方します。どうして味方をしてくれるのか、【コトリ】がそう問うと、『speak』は「あなたがはじめて私に足跡を残してくれた」と語ります。足跡って言うのは、この動画サイトの『ヨイネ』ボタンみたいなものですね。つまり、コトリは知らず知らずのうちに、『speak』に接触していたわけなんだけど……

***:part1に『speak』いたよ
***:いた! 白衣のアバターの女の子

コトリ:そう、part1に、すでに『speak』が居たらしいんですよ! 俺もコメントもらって気づいたんだけどさ……たしかに、最初に『YOU』をプレイしたとき、コトリが足跡を残したのがこの『speak』っていうアバターだったんだよね。いやぁ、伏線があったんだね。ま、そんなわけで、彼女が「あなたが私に最初に足跡を残してくれた」「うれしかった」と語ったところでね……俺の機材がまたまたフリーズしました

***:タイミング悪すぎ!
***:めちゃくちゃいいところだったのに……
***:スピーク&フリーズ
***:大丈夫? 機材、壊れてない?

コトリ:機材は大丈夫! 今日はうまく動くはず……だよね? 信じてて。さて、おさらいはこのくらいで大丈夫かな? では、そろそろ始めます。呪われたゲーム『YOU』part3、スタート!

*プレイヤー操作 ~つづきから~

*暗い部屋の中央にいるコトリ
*左半分にパソコンの画面が表示される
*フリーのチャットソフトが立ち上がる


speak》
コトリ、いる?
***:speakの連絡先ゲットしたの!?
***:speakさんと恋仲に……!?
​***:はいアウト
​***:警察呼んでー家守さん!


コトリ:いやいや待って待って! 落ち着いて! 女の子の個人アドレスゲットだけではしゃぎすぎだぞお前ら!

コトリ》いるよ
speak》最近、『ゾンウィズ』にログインしてないね
コトリ》もう飽きたし
speak》そう……
コトリ》俺の居場所も、もうないし
speak》そんなことないよ
コトリ》いいよ、本当のことだから
speak》一緒に新しいゲームやる?
コトリ》いいよ、君はまだゾンウィズのアカウント生きてるでしょ
speak》コトリと一緒じゃなきゃ意味ないよ
コトリ》不思議なんだけどさ、なんで俺なんかにこんなに懐いてるわけ?

コトリ:んん……? これは、つきあってる訳ではないのか……

***:だよね
***:だってコトリンだもん、彼女出来るわけない

コトリ:おーい、失礼なコメント拾ってくぞ俺は。っていうか、このゲームの主人公は俺じゃないからね! 俺の名前借りてるだけだから

コトリ》いくら最初に君に接触したからって、こんなに……
speak》だって生まれて初めてだったから
コトリ》はじめて?
speak》誰かに認識してもらえたの
コトリ》大げさすぎる
speak》大げさじゃないよ。初めてだった。今まで誰も私の存在なんて気づいてくれなかった
コトリ》家族とかいるだろ
speak》いるけど、いない
コトリ》どういうこと
speak》いるけど、私のことなんて、お母さんにとっては存在しないも同じ
コトリ》お父さんとか、姉弟は
speak》いない。だから、あなたがはじめて私を意識してくれたの
コトリ》……あんなの、ほんとうに足跡をつけただけだよ。逆。
speak》どういうこと?
コトリ》手当たり次第、足跡つけてただけ。あのとき、俺もレベル弱かったから。みんなに知ってもらうために、アバター見つけ次第、足跡残してたんだ。君を認識したとか、そんなんじゃない。俺を知ってもらうために、つけただけだ
***:正直だ
***:いるよね、足跡ヨイネしてくる奴
***:わかるわかる。内容読んでないだろって思う

コトリ:あー……まあいるよね、うん……俺も覚えがある。やったことも、やられたことも。心臓が痛くなるなぁ、このゲーム

コトリ》わかった? 俺は君にとって特別じゃないし、君は俺にとって特別じゃない
speak》……でも、似たもの同士だね
コトリ》何が
speak》そうやって手当たり次第足跡をつけてたのは、君も、寂しかったからでしょ


*長い間、チャット欄は動かない
*カーソルの点滅だけがしばらく続く
*しばらくして、カチカチカチという音と共に、言葉が打ち込まれる


コトリ
》実は俺も、初めて認識してもらえた
コトリ》初めて、存在を認められた気がした



*しばらくの間
*カチカチカチという音と共に、再び言葉が打ち込まれる


コトリ
》怖かったんだ、君のことが。こんなこと、はじめてだったから
コトリ》君が、実際の人間じゃないんじゃないかって
コトリ》ただのプログラムだったら、どうしようかって
speak》わたしは人間だよ
コトリ》信じられない
speak》電話でもする?
コトリ》音声だって、信じられない
speak》どうして?
コトリ》俺の両親の会社、そういうAIとかプログラム開発してるから
speak》そうなんだ。私の母親と似てる
コトリ》え?
speak》科学者なんだ。人間の脳の構造をコンピューターに変換して、精度の高いNPCみたいなものを作ってる
コトリ》ますます信じられない
speak》でも、私は人間だから。証明するよ
コトリ》どうやって
speak》会いに行く
***:!?!?!?!?
***:オフ会じゃん
***:ついにコトリン顔バレ!

コトリ:いやだからこれ俺じゃないってば! しかし、あれ、これ何ゲームなんだ本当に……前回までホラーっぽかったのに、今恋愛シュミレーションみたいになってない?

コトリ》そんな急に?
speak》うん
コトリ》怖くないの。知らない人に会うの
speak》少しは、怖いけど
speak》じゃあ、コトリのこと教えてくれる?
コトリ》教えることなんて、ないよ。たいした人生送ってきてない
speak》私も、あんまり教えることないや
コトリ》だよな
speak》じゃあさ、いいこと思いついた
コトリ》なに?
speak》ちょっとしたお遊びなんだけどさ、こんなの、どう?

*チャット画面が消える
*コトリの部屋のテレビの画面が点滅する
*ノイズ音


コトリ:え? なに、今度は……

*ニュース番組のジングルが流れる


アナウンサー
「午後のニュースです。本日、***市のライブハウスにて、暴動が発生しました。警察は現在、原因を捜査中です」

アナウンサー「夜のニュースです。***市のライブハウスにて発生した暴動は、隣の***市、***市まで広がっています」

アナウンサー「朝のニュースです。***市のライブハウスにて発生した暴動について、政府は『暴動ではない』と結論付けました」


コトリ:え、ちょっとまって、これってまさか

アナウンサー「お昼のニュースです。***市のライブハウスにて発生した暴動について、政府は『原因不明の伝染病、もしくは集団幻覚症状の恐れがある』と発表しました」
***:え
***:は?
***:嘘、なんで
アナウンサー「緊急ニュースです。***市のライブハウスにて発生した暴動について、政府は『感染者に接触すると、症状が伝染する危険性がある』と発表しました」

アナウンサー「全国のみなさん、『音』です」

アナウンサー「感染者の出す『音』を聴くと、症状が伝染するとの情報が入りました。繰り返します、危険なのは接触そのものではなく、『音』です……
***:すごい、時事ネタじゃん
***:アップデート入ったの?
***:現実と同じじゃん、これ……
アナウンサー「警告です。正常者のみなさんは、家から出ないでください。不要不急の外出は控えてください。繰り返します。正常者のみなさんは、家から出ないでください。不要不急の外出は控えてください。病む終えず外出する際は、必ずイヤフォン・ヘッドフォンをして、外部の音を絶対に聴かないでください。繰り返します……」

*チャット画面が再び表示される

<speak>がアドレスを送りました

speak》……これで、コトリのこと教えてよ
コトリ》これは?
speak》「home」っていう作品投稿サイト


コトリ:……え?

*コトリ、アドレスをクリック
*「home」のトップページが開く
homeへようこそ!

私たちは今、
人類滅亡の危機に直面しています。
「音」による感染によって、
私たちは「言葉」を失いました。
そしてそれによって作られる
文化や芸術までもが、
この世界から消えてしまうかもしれません。
しかしもはや芸術は、創作は、
人間には絶対に必要なもの。
私たちは未来のために、
未来の我々人類のために、
このすばらしい創作の場所を残します。



ここはホーム。
みんながいつか帰る場所。









おもい だ せ





***:とまった
***:まただ! 家守さん!
***:ちょっと、怖い
***:画面フリーズきた!
***:コトリン……??
***:コトリ、外でてないよね? 危ないよ
***:ちょっと、このゲーム怖い
***:こわいこわこわいくぉあい

コトリ:……えっとー、生きてます

***:良かった
***:大丈夫?
***:雰囲気やばいねこのゲーム
***:なんか変じゃない?

コトリ:またフリーズだ……おかしいな、何なんだろう

***:演出?
***:『YOU』ってこんなゲームなの??
***:不謹慎じゃない? こんなリアルな現実反映するなんて


♪ =home公式メッセージが受信されました=

***:メッセージきた!
***:流石にちょっと展開がヤバいから家守さんかな?
***:盛り上がってきた
***:どうなるの、これ……

コトリ:ちょっと、本日はここまでにしよっか。なかなかセンシティブな内容だったね、このゲーム……消されないか不安なんだけど。あ、メールは家守さんからでした。ちょっと、お話してきます

***:その方が良い
***:うん、いってらっしゃい
***:大丈夫かな……

<このライブ放送は終了しました>

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*このテキストは、フィクションです

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