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貧乏学生、日帰り一人旅 in 大阪

前書き

こちらの記事は2022年の夏に執筆した日記を改変したものです。
一人で読むことを想定したものを改変したため、カッコつけ、イタめのセリフが数多く登場しますがご了承いただければと思います。



8月8日(月) 晴れ 34℃

大阪に行ったよ

夏休み、めっちゃ暇でやることないから今日は大阪に行ってきた。
まったく寝付けなくて3時ぐらいにはもう起きちゃってて、暇だなあ、なんかやりたいな、太陽の塔でも見に行っちゃう? って思った軽いノリで。

やることがない時のノリと勢いって大事。家でダラダラするのも楽しいけど、なんの生産性もないからね。

初めての始発チャレンジ

ノリで大阪に行くことを決めたので、時間だけは無限にあった。

貧乏故、ないのはお金だけだったので、お金がないなりに大阪へ行く方法を考えた結果、まずは近鉄急行を乗り継いで鶴橋まで行って、そこから先どうするかはその時に考えようという結論に達した。(乗り換えルートがたくさんあったので)

旅のお供に選んだ私のバイブル
「自分の中に毒を持て」

乗り換えで降りた青山町という駅にはまだ反転フラップ式の案内表示機(いわゆるパタパタと呼ばれるもの)が残っていて鉄道ヲタクの血が騒いだ。

ちゃっかり写真も撮ってきた。

快速急行 大阪上本町行
停車駅からもわかるように、近鉄線は「地名 + 独自名称」の駅がかなり多い。
表示機とスヌーピー様(私の分身)

関東では、主要駅や空港の行き先表示なんかで残っているところもあったのだけど、近頃はどれもLEDに置き換えられて滅多に見られるものではなくなった。
でも、近鉄線にはまだ現役のところが多いみたい。
大学卒業までにいろんなところ旅して、いろんなタイプのパタパタ見てみたいな。(パタパタにも種類があるんですよ……… 奥が深い世界。)

万博記念公園へ

鶴橋からは環状線に乗って京橋に行き、京橋からは京阪とモノレールを乗り継いで万博記念公園へ向かった。

大阪環状線は、延々と回り続ける我等が山手線と違い、回らずに遠心力を発揮する威力を持つ個体もあるらしい。恐ろしいな。

幸い乗り間違えずに済んだけど、また乗りたいかと聞かれれば「怖くて乗れない」というのが正直なところ。
だって、空港に行こうとしたら和歌山とかに飛ばされちゃうんでしょ?
環状の概念ぶち壊しに来てない?

モノレールの万博記念公園駅から見えた、聳え立つ太陽の塔。
周りの木々の緑とのコントラストはとても綺麗だった。

朝ごはん

万博記念公園についた時点でおなかがペコペコだったので、近くにあったファミリーマートでお弁当を買って食べることにした。
前日の夜ご飯も食べておらず本当におなかがペコペコだったのだが、お金がないなりに考えて鶏そぼろのお弁当を買うことにした。

この時に初めて食べたこのお弁当は2024年現在も私の中での一軍弁当に入っていて、ファミマに行ったときは必ず買って食べている。

甘い鶏そぼろと少し塩気のある玉子そぼろの組み合わせが最高なので、まだ食べたことがないよという方は是非一度ご賞味下さい。(ファミマの回し者ではありません)

いざ、太陽の塔とご対面

朝ごはんも食べてお腹いっぱいになったところで、いよいよ太陽の塔とご対面。

よく晴れていたが、めちゃくちゃ暑くて「早く帰りたい…」と内心思っていた。

日本一暑かった(過去形)県の出身だが、日本一暑かった市の出身ではないので耐熱性は不十分。ブームだった手持ち式の扇風機みたいなモノもお金がなくて買っておらず、干涸びそうになりながら塔を眺めに行った。

塔の足元に立ってみると、かなり大きくずっしりとしていてまるで摩天楼のよう。

※この動画は私が撮影したものです。安心してリンク先をご覧ください。

「太陽の顔」と「黄金の顔」
横顔も素敵。

万博記念公園の入り口側から見た顔(太陽の顔・黄金の顔)が有名な太陽の塔だが、実はその他3か所にも顔があることを皆さんはご存じだろうか。

かねてより岡本太郎さんの作品が好きだった私だが、このことを知ったのは実際に現地に足を運んでからである。

「太陽の塔」は過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーの象徴であると同時に、生命の中心、祭りの中心を示したもの

「太陽の塔」は、頂部の「黄金の顔」、正面の「太陽の顔」、背面の「黒い太陽」の3つの顔を持っていますが、博覧会当時テーマ館の地下展示には「地底の太陽」といわれる顔も展示されていました。

(上記二つは、いずれも太陽の塔オフィシャルサイトより引用)

この4つの中で私が一番心を惹かれたのは、「黒い太陽」と呼ばれる、塔の背面に描かれた顔。

遠巻きに見たときはコンクリートに絵が描かれている…?と思っていたが、すぐ近くでじっくり見てみると、細かなタイルがびっしりと敷き詰められているのがわかる。

口をあんぐりと開けたまま、言葉を忘れて見入ってしまったぐらいには、巧妙で繊細な芸術だと感じた。
写真では伝わらないので、ぜひ実際に行って、見て、感じてほしい。これは本当にすごい。

また、季節や当日の天候によってはタイルがキラキラと反射して綺麗に見えるらしい。私が行った日は晴天過ぎたのであまりそんな感じはしなかったけど、今度は春か秋冬、曇りの日や雨の日にも行ってみようかな。

内部公開の当日券ラス1ゲット!

すでにいったことがあるという方はご存じかと思うが、太陽の塔の内部公開を見るには事前予約が必要である。

太陽の塔への入館は、前日までの事前予約制(先着順)です。
※乳幼児や無料対象の方も予約が必要です。

太陽の塔オフィシャルサイトより引用

予約にキャンセルが出たりして空きがある場合は、塔内受付で当日券を買うことができる。

私は思い付きで太陽の塔に来たので、むろん予約などしておらず、内部は見ずに帰ろうなどと考えていたのだが、ダメもとで受付へ行くことにした。

すると、次の回の当日券があと1枚だけ残っているとのことだったので急いで予約を押さえ、ツアーに参加することになった。

入場券とリーフレット

塔内は1階の展示部分と、塔上から降りてくる階段内の展示のみ撮影が可能だったため、撮れる範囲内でありったけ写真を撮ってきた。

生命の樹

こちらは入り口を進み、プロジェクトマッピングを抜けると見える景色。
生命の樹せいめいのきといって、木の幹枝には様々な種類・大きさの生物の模型が佇んでいる。

通常であれば顕微鏡を通さないとみられないような微生物から、は虫類、恐竜、サルなどのほ乳類がずらりと。

1階部分しか撮影ができないので伝えるのが難しいのだが、この塔は地底に近いほうが過去、上部にいくほど未来に近いというコンセプトになっていて、作者である岡本太郎はこれを「人類に至るまでの進化の過程」と表現したらしい。

入口にあった、キモカワイイと話題のミャクミャクさまのポスター。
この時はまだ名前もなく、胴体もついていませんでした。
「黒い太陽」の横顔。

彼の残した言葉の意味

そんなこんなで運よく内部を見ることができて、満足だったし、すごく幸せだった。

塔内は、狂気と神秘と幻想に満ちた空間だった。
細部まで細かく作り込まれていて、思わずその世界に引き込まれてしまう。次元が違う、宇宙にいるような、体が浮くような何とも不思議な感覚がした。

中学生の頃の美術の成績が3年間ずっと“2”だった私でさえも惹きつけてしまうのだから、作者 岡本太郎の芸術に対する情熱はとても素晴らしいものだと思う。

彼の著書である「自分の中に毒を持て」には、彼の芸術に対する真摯な姿勢が伝わるエピソードや名言がたくさん出てくる。

その中でも有名なのは「芸術は呪術である。」という一言ではなかろうか。

この作品こそまさに”呪術”だと、今回行って感じた。

また時間のある時に、見に行きたい。
今度は誰かと一緒に。

後書き

1年半ぶりに当時の日記を開いて驚いたことが2つあります。

1つ目は、死ぬほど字が汚かったこと。
当時いろいろあって父との面会に行きたくないと思っていたので、直前直後の日記もめちゃくちゃ字が雑でした。
周りに言えないだけで、すごく疲れていたんだと思う。

2つ目は、特急を使わずに片道3時間半以上(ほぼ4時間)かけて大阪に行っていたこと。
先日恋人と奈良県に行った時ですら特急を使ったので「此奴はアホなんか…?」と思いました。まあ、当時はめちゃくちゃお金がなかったので、致し方ありませんね。よく頑張って行ったよ。えらい。

久しぶりにマジでお金がなかった時の生活が垣間見られて懐かしくなりました。2年間よう頑張ったな…。

締め方がわからんくなったので、最近ハマっている芸人さんのネタを添えて終わりにします。

YouTubeで公開されているオーケストラバージョンも好きです。


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