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ハラコンプレゼンターインタビュー№2| Nama Gâteau Au Chocolat 柳下龍介さん

「地域を愛する人を、全力応援!」がコンセプトのハラコン。プレゼンターをもっと知ってもらうべくインタビュー連載を始めました。

第2回となる今回は、サステナブルなスイーツを発信するNama Gâteau Au Chocolat (ナマガトーショコラ)柳下 龍介さん。ここ数年で注目が高まるおうち時間や拡大するギフト市場。スイーツは様々な場面で人と人をつなぐ架け橋のような役割を担っています。では、どこで生産されどのように私たちのもとに届けられているのか。食を通じてサステナブルを実現する柳下さんにお話を伺いました!

柳下さんについて

小田原市内の高校を卒業後、自動車販売会社や食肉会社のレストラン部門でのキャリアを経てセールスマーケティングや部門マネージャー、新規店舗の立上げを経験してきました。
そののち都内のWebアプリケーション・HP制作会社に転職しました。この頃から途上国問題に興味を持ち始めており、人件費の低い外国のエンジニアを雇用したオフショア開発(一部業務を海外の子会社や他の関連海外サプライヤーなどを通じて行われる委託開発の一種)について、バングラディシュ支社の駐在を通じて、現地の実情を肌で感じてきました。平日はIT関連の業務をし、週末は現地のかたにアテンドしていただき、NPO事務所や孤児院などを見て回りました。恵まれた日本と異なる環境を目の当たりにして、社会課題の解決について自分にできることを考える日々を送り、ソーシャルビジネスを通じて途上国問題へ取り組むことを決心しました。今から約3年前のことです。

幸せの生ガトーショコラ

Nama Gâteau Au Chocolat(ナマガト)のはじまり

ソーシャルビジネスに関わる方法としては3つの選択肢があると思いました。1つ目はソーシャルビジネス企業への転職。2つ目はNPO法人へ転職。3つ目は起業でした。
私はもともと起業家タイプではないので、最初は自分で事業を行うなど全く考えていませんでした。ビジネスとして問題にアプローチすることに可能性や意義を感じていたので、NPO法人への転職は選択肢から無くなり、ソーシャルビジネスに取組んでいる企業への転職をしようと思いましたが、希望する企業は全て落ちてしまいました。一番行きたかった企業には、募集部門やポジションを3回くらい変えて応募しましたがダメでした。そしたらもう起業するしかないかなと…。(笑)
オンライン日本語学習サービス、広告サービスなどいくつかアイデアがありましたが、その時点で私が持ち合わせていたリソースを考えて、スイーツ市場に挑戦することにしました。ここでガトーショコラが登場します。
なぜオンラインスイーツ市場に挑戦したかについてよく質問をいただきます。国内市場におけるオンラインスイーツ市場の拡大や競合を私なりにリサーチした結果、とても魅力的な市場だと思いました。まずコロナの影響により市場規模が拡大していたこと、ユーザーがオンラインによる購買活動に慣れることでコロナ後も市場が拡大する予測があったことです。そして何よりも大切なのがソーシャルビジネスになる商品やサービスであることです。チョコレートの原料であるカカオ農家さんが抱える貧困や児童労働の問題は長年問題視されてきました。チョコレートのスイーツを販売して、その売り上げの一部を還元していくことで、この問題にフォーカスできるだろうと考えてオンラインでスイーツを販売していくことに決めました。そして、自社のシェフとなる増井睦さんがスイーツを通じたサステナブルの実現に同じ方向を向いてくれていたことがこの選択の大きな要因です。

小田原市内にある店舗

これまでのあゆみ

「美味しさの幸せを届ける。その幸せを生産者へ還元する」。これが私たちのミッションです。単なるスイーツづくりではなく食べることで生産者さんへ還元することができる、サステナブルなスイーツをご提供していきたいと思っています。
また、理念に対する共感を得られたとしても、商品としての価値を提供・提案できて初めて事業として成り立つと考えています。理念の発信と共に、スイーツとしても選ばれるクオリティになるためにシェフと一緒に取り組んできました。実はシェフとは小田原のバイト仲間なのですが、彼は有名なホテルの料理長でもあります。彼がいたからこそこの事業がはじめられたといっても過言ではありません。
クラウドファンディングで開業資金を集めたりしたのち、2021年9月に現在のお店で事業を開始しました。これまでたくさんの方々に応援していただき励まされて今日があります。感謝をしながら、社会や人へ貢献・還元できるようなサステナブル事業になるようにこれからも頑張っていきたいです。
https://camp-fire.jp/projects/408015/activities/303319

これから取り組んでいきたいこと

私自身、地元が大好きで地域の人たちとの交流を大切にしています。ハラコンやいろいろな地域イベントにも参加してきました。また、私たちの商品はSDGsの目的やその取り組みと重なることが多く、小田原市のSDGsパートナーとしても活動させていただいています。市内の高中学校の出張講師としてSDGsのお話ををさせていただいたり、イベントに出店して途上国問題のことを紹介させていただいています。引き続き、地域の皆さまへSDGsパートナーとして、SDGsや私たちの取り組んでいる途上国問題の認知・啓蒙活動を続けていきたいです。
事業としてはスイーツ市場の中で「サステナブルなスイーツ」として独自のポジションを獲得したいと考えています。まずはターゲットとしている国内のお客さまへ認知を広げる活動を続け、生ガトーショコラを通じて「おいしい価値」を提案・提供していきたいです。その活動の中で、サステナビリティへの共感や関心を生みながら、ブランドとして成長を続けていきたいです。「ナマガト」の愛称とともにサステナブルを考えるキッカケになってくれたら嬉しいですね!

幸せのナマガトーショコラ for Gift

トピックス

【メディア出演】​日本テレビの青空レストランにてとりあげられました
https://www.namagateauauchocolat.com/news

カカオトレースについて
https://www.namagateauauchocolat.com/cacao-trace


編集後記

緻密なマーケティングによるスイーツ市場への挑戦。普段は温厚な柳下さんからは少し意外にも感じられる、世界の課題解決への情熱とそれを持続可能にする圧倒的な姿勢に、驚かされるばかりでした。ナマガトに多くの人を引き付ける商品力や事業戦略は、柳下さんの人柄あってのことと思ってなりません。(今回の編集:ハラコン どい)

https://www.namagateauauchocolat.com/


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