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されど二年。


2020年のコロナ真っ只中。


確か12月だったか、今回個展を開催してくれているアダチさんと初めてお会いしました。その頃はまだ制作などには縁のない状態。生まれて初めてギャラリーに来たという。

その後色々不思議なご縁で繋がって、一緒にお仕事などもさせていただくことになったりと。

最初の頃の印象から、前のめりな方だなぁという印象があり、仕事もバリバリ!って感じ(語彙力

SNSを通じてアクセサリー?とか、なんか作ってるんやなぁってのは見てたんですがまぁ多分趣味なんだな、と特に悪気もなく思ってました。


「実は絵を描こうかと」


という話を聞いて、あ、やっぱそうなんですねーまた見せてくださいね、と言ってそれから少し経ったら描いた作品を持ってきてくれました。

初めて拝見した作品も全然悪くない。寧ろ良いじゃんって感じでした。

それから2022年にアトリエ三月のコンペに初めての展示ということで出展してもらってから、アトリエ三月以外のありとあらゆる公募展に出展しまくり、2年間でおおよそ300点。

描くスピードもモチベーションもこの2年間下がることなく、

「え?え?え?」

と思っている間に個展や展示を繰り返し作品もどんどん良くなっていき、テキストや文章、話言葉にも説得力が出てきた。しまいには単独台湾へ行って個展を開催する、と。


頑張ればできる、やればできる、夢は叶う何たらかんたらよく言うけれどそんな簡単なもんじゃない。なので、多分人一倍か何十倍か努力してんだろうと思う。


僕みたいにダラダラダラダラ続けてきたような人間とは違って、一度社会に出て苦労したのってすごく貴重なんだろうなと思う。その経験が多分アダチさんの作品と、彼女本人との絶妙な距離感を保っている。

社会というのは自分の思い通りにいくものではないし、掲げた理想がこれっぽっちも通用しないことだらけだと思う。

100%やりたいことだけやっている人なんてほぼいないように、どこかしら社会と折り合いをつけている。

抽象絵画、アブストラクトって下手するとすんごい自分の内面的なことが顕になってしまう側面がある。それがコンセプトならまだいいが、僕がそうであったように10代20代の若者たちはそこに自分自身を映し出そうとする。そんな思春期みたいな若者の青臭い内面なんて見たくもない。


作品と作家との絶妙な距離感がある。どこか俯瞰してみているのだろう。躍動的に見えて、とてもクールに制作しているのがわかる。



あれよあれよとバカみたいに売れちゃうんじゃないかなー。嬉しいけど、寂しいなぁとも、思う。来年にはNYとか行って個展とかしてんじゃないの。

メディアとか出まくって、この凝り固まったアートシーンをひっくり返して欲しい。


そんな可能性


アトリエ三月にはこんな人ばかりだから、やっぱ面白いんだよね。



大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。