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アートとかイラストだとか言葉に自分を押し込めない。

アトリエ三月9周年月間、残り僅かとなりました。

前期はちくわミエルさん、後期をむすびさんにお願いしました。


アトリエ三月のスローガンの一つである「周縁からの挑戦(アウトサイド)」みたいなことをここ最近よく言っています。

アートとかARTってゆー言葉、特にカタカナのアートは和製英語の為範囲がとても曖昧です。子供の絵は確かに素晴らしいものだけど、それら誰かが何かを表現したことについて一概に全てひっくるめて"アート"と呼んじゃうのにはだいぶ語弊があるなぁと思います。


ARTの歴史を紐解いてみると、いつも大きなイノベーションを起こすのはアウトサイド(周縁)からの圧力が大きいんじゃないかな、と思っています。


ここ最近で言うとイラストアート、キャラクターアートとか言われるものは10年くらい前までは美術業界でとても風当たりが強かった。村上隆のような表現でさえ20年前は「こんなものはアートじゃない!」と老人たちが怒っているのをよく目にしました。


今現在評価がどう変わったかというと一目瞭然だと思います。


僕がここ最近ずっと見ているシーンも幾つかあって、熱視線ってイベントで集まってもらった人たちや、コミックアートと言われる界隈の方々です。


一昔前まではアートとイラストってカテゴリーでさえ厳密に分けられていたように思いますがその境界がとても曖昧になったなと最近思います。

しりあがり寿や多くの漫画家、イラストレーター、タレントでさえもが多くのアートフェアで目につくようになりました。


コミックアート的な界隈にもざっくり2パターンあって、既に流通している所謂、二次創作というジャンルと、完全オリジナルの一次創作のジャンルです。

創作界隈とか言われるようなこともあります。よく聞く絵師さんってのも創作界隈に準ずるのかなーという印象です。しかし明確な定義があるわけでもありません。

創作界隈の作家本人たちは明確に「自分がやっていることはアートではない」みたいな共通認識はあるように思います。


創作界隈の作家さんたちは主にコミティアのような完全オリジナルの一次創作イベントに出展したり、SNSで活動を続けています。個展をするにしても所謂コミックアート界隈の為のギャラリーで展示をするのが一般的かと。


現在個展を開催中のむすびさんは本人が意図してかどうかはわかりませんがコミックアート界隈の作家さんだという認識でした。

ただ前々から底知れぬ可能性を秘めた人だな、という印象はずっとあって、彼女が主催しているイベントなども含めてとても精力的に活動されていて、度々アトリエ三月の展示やイベントにもご出展いただいていました。


そして今回は彼女自身7年?ぶりとなる個展開催となりました。


普段から忙しくされている方だし、何しか個展が久しぶりと言うことで若干の心配はありました。なので少しだけ作品に対してのリクエストをさせていただきました。

特にコミックアート界隈の方々は一つ一つの作品にテーマやストーリー、世界観がしっかりと確立しているのでそこに対しては文句はないのだけれど、あんまりシリーズものとして描いている方を見ない印象だったのでシリーズものにしましょう、という提案だけさせてもらいました。ただ、ざっくり言うと僕からの提案はそれくらいです。


あとは基本ちょっとあった際に少し話をするくらいだったのだけど個展搬入時に作品を見た時にすごく驚いたのですね。僕がリクエストしたことを遥かに超えたクオリティで作品を仕上げてきてくれました。


シリーズものにしましょうって提案は、つまり普段から0→1でテーマ、世界観、ストーリーを含ませた作品を作っているやり方に対して、ある程度の世界観やテーマ設定はそのシリーズの共通事項として定めておいて、登場するモチーフやキャラクター、ポーズや表情の違いで見せましょう、って感じです。で、できるだけ同時進行して制作できるようにしようって意味でした。


まぁ口で言うのは簡単ですが慣れていないとなかなか難しいと思います。


僕は別に何でもかんでもアートであるべきとは全然思わなくって、アートと言う言葉に飲み込まれてしまうある種の危険性もあると思ってます。

イラストっぽい作品が全て"キャラクターアート"って言葉で一概に語られることにもとても違和感があります。


ただ、何でもそうなんですが言葉やジャンルに縛られてしまうからこそ潰れてしまう可能性もあると思うので、アートとして捉えるべき作品や作家さんに対してはどんどんその可能性を発揮していってほしいなぁと思います。


何しか、むすび個展抜群です。

最後までよろしくお願いします。

大阪で絵画制作や美術活動をしつつ、ARTspace&BARアトリエ三月を運営しています。サポート頂いた分は活動費やスペース運営費として使用させて頂きます。全ての人がより良く生きていける為に 美術や表現活動を発信し続けます。