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ある冬、オリオン座が。(140字小説)

ある冬の話。夕方まで降っていた雨は上がり、空を見上げるとオリオン座がきれいに見える。瞬間、僕は理解した。今、自分が犬であるということ。プー太という名前。この家のこと。飼い主の家族たち。そして僕には、人間だったときの記憶が残っている。遠い昔、僕は妻と一緒にオリオン座を見ていたのだ。

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