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完熟トマトを満喫! 追いトマトのペンネ

トマトはえらい、とつくづく思っている。もともと南米原産の野菜なのに、さかのぼること300年近く前、18世紀にはるばるイタリアまで旅をして、パスタとチーズが大好きだったイタリア人の食生活をすっかり赤色に塗り替えた。今ではもう、トマトなしのイタリア料理なんて考えられない。

そして日本ではイタリアントマトなんていう品種も八百屋さんに並んでいて、どう、あたしこそが本場のトマトよ、なんて気取った顔をしている。

先日、夏野菜が艶を競う近所の商店街の八百屋さんで、その「イタリアントマト」がカゴ盛りになっているのを発見。見るからに完熟で食べ頃だったので、すぐさま買ってお昼に使うことにした。

細長くてとんがってる「イタリアントマト」。

追いトマトのペンネ03

でもイタリアントマト、って値札に書いてたけどよくよく考えると何がイタリアンなのかとんとわからない。なんか今までに見聞きした限りでは、細長くて先端がとんがっている、という程度のイメージしかない。たしかにこの子たちも例に漏れず、細長くてどんぐりを大きくしたみたいな輪郭

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調べると「サン・マルツァーノ」という品種を筆頭に(?)、いくつか日本独自に品種改良を重ねたとんがりトマトたちがいて、それらを総称して「イタリアントマト」と呼んでいるみたいだ。総じて旨味が強く、肉質が厚いので加熱調理に向いているという。

ならば、今回ちょっとハマりかけているペンネのソースにしてやろうか。

お前もトマトソースにしてやろうか。ぶははは。

今回のアイデアは、追いトマト!

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実はちょっといいアイデアを思いついたのだ。

まずは定石どおりニンニクと唐辛子をオリーブ油で熱し、挽き肉と玉ねぎを炒めたところに、乱切りにしたトマトをイン。試しにひと切れ味見してみると、甘味はそれほどでもないけど旨味と酸味のバランスがよく、全体として味が濃い。塩コショウだけして煮込むことに。

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10分と経たずにこうなる。煮てやわらかくなるまでの速度が早く感じるのは肉質のせいか、それとも熟れ具合によるものかちょっと不明。この時点でフレッシュさと濃厚さを兼ねそなえたちょうどいい風味のトマトソースのできあがり。

だがここで終わりではない。これはあくまでソース。ここに、具としてのトマトをさらに投入するのだ。

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わかりますか、カレーでいうとルウの部分と野菜の部分、両方ともトマト。これが秘儀、追いトマトだあ!

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ゆで上がったペンネを加え、具としてのトマトが煮崩れすぎない程度になじませたらオリーブ油を追加してできあがり、マンジャーレ!

追いトマトは、おいしいトマト。

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いやもう非の打ちどころのないトマト感。いい意味で、トマト水煮缶のあの濃厚さに太刀打ちできる風味。それでいて果肉の水分、ジューシーさは損なわれていない。ガツンと一口でパンチが効くわけではないけど、味に厚みがあって、じわじわと味蕾の奥に浸透してくるような感じ。

いやあ、これは相当な実力持ってるわー。うちでトマトソースを作るとき、他のトマトだと風味が足りなくてこっそりトマトケチャップや砂糖、粉末コンソメなんかを足すことがあるんだけど、そのどれも一切不要だもんな。

それにしても、あの何の変哲もないふだん遣いの八百屋さんでこんな変わり種トマト売ってんの初めて見たなあ。どうせならちょくちょく扱ってほしい。今度お店のおばちゃんに言うたろかなあ、おいしかったですよーって。

翌日の深追い。トマトチキラーにもしてみた。

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調子に乗って翌日、チキンラーメンにも具として加えてみた。麺と一緒に煮て、オリーブ油、黒コショウ、パセリ、チーズをトッピング。

うん、これは蛇足だった。どうしてもチキンラーメンのパンチに負ける。基本的にはおいしいんだけどねえ。

トマトをもっとたくさん入れればよかったのかも。

いやいや何事も深追いはよくない、ということですね。


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