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呼吸を整えてスタートラインにつく。朝の冷汁納豆ごはん。

このところ、というかここからお盆過ぎまで仕事のスケジュールが詰まっていて、なかなか気持ちを落ち着けてキッチンに向かう時間が取れない。いきおい、毎日の食卓は妻に任せることになる。すまんねえ。昨日おとといと根を詰めて働いたから今日ぐらいはちょっとゆっくりできるかなあ、という感じ。まあそれも自分自身の仕事のはかどり具合次第なんだけど。

今年の春のあのぽかんと空いた大きな空白の、不安がごうごうと黒雲のように渦巻く一方で、一歩ずつ慎重に自分のテンポで生活できていた感覚が、皮肉にも少し懐かしく感じられたりもする。

お昼と夜がなかなか思うように食べられないなかで、朝ごはんぐらいは少しいつもより丁寧に支度して、呼吸を整えたい。一日のスタートラインにつく前にいろんなものを手元に引き寄せてきちんとつかまえたいと思う。

最近のマイブームは冷汁。こないだペンネで試したとき、愚かにも大葉とゴマを散らすのを忘れてしまった。不甲斐ない。そのリベンジも兼ねて、毎朝の習慣、納豆ごはんを冷汁風にしてみた。

ちなみにいつもの朝ごはんに関しては、どうしようもなくヒマなら下記をご参照ください。


納豆ごはんの冷汁風、意外といけたのでここんとこリピートしています。

味噌は冷たい水に溶ける。

冷汁納豆ごはん03

まずは冷たい味噌汁を用意せねばならない。けれども朝イチからきっちり具入りのお味噌汁を作って冷ましていたらいつになるか分からないので、思いきって冷たい水に粉末だしの素と味噌を溶いてみる。時間はかかるけど一応溶けます。そこにすりごまと市販濃縮ごまだれを加えて調味。

冷汁納豆ごはん04

これを早めにレンチンして少し冷ましたごはんにぶっかける。はしたないけど食欲をそそるビジュアル。ほんとうはごはんも冷やごはんにしたいところなんだけど冷凍の一膳分をチンして使うというルーティンでは難しいところがある。ここは今後の課題。

納豆の上に青い山を築く。

冷汁納豆ごはん05

もうこの時点で食べてしまいたい気持ちをグッと押し殺して、上に刻んだ葉っぱや野菜などの薬味を積み上げてゆく。

冷汁納豆ごはん06

ここ数日の薬味ラインナップは、ねぎ、キュウリ、ちりめんじゃこ、大葉、かいわれ大根、いりごま。ひとつひとつ、一膳分をちまちま刻んでいく工程で少しずつ頭が冴えてくるというか、スタートラインに向けての秒読みが始まってゆく感覚がある。大きな扉を開ける前に金庫のダイヤルを回すときのコチコチという冷たい金属のリズムが指先に伝わるのに似ている。

何言ってんでしょうね。

ちりめんじゃことかカニカマとか、魚介風味の動物性タンパクは必須。あとキュウリの青臭さを抱きとめる大葉の爽やかな香り。この3つの嗅覚、味覚のトライアングルは不可欠だと思うなあ。

今後はミョウガをぜひ加えたい。

今日という名の山を登る、第一歩。

冷汁納豆ごはん02

ただもう薬味を積み上げるうちに完成。いちいち写真で図解するほどのこともないカンタン朝ごはんだけど、これが自分にとっては、今日という山を登るためのスタートラインにある小さな青い独立峰。

うん、朝から文章が気持ち悪いのは疲れがたまっているせいにしておいてください。

冷汁納豆ごはん07

せっかくの山を突き崩して混ぜて、おさじでぞぞーっといただく。ああ、手堅いおいしさ。口内調味の妙。こういういろんな、切っただけの生野菜を重ねてそのハーモニーを楽しむという構造は先日のバインミーやあらゆるサンドイッチにちょっと似ている気がする。

味噌という通奏低音があることで納豆というメインボーカルがよりいっそうクリアに響く。よく考えればこのふたり、生き別れの双子みたいなものなのだ。同じ大豆として生まれあいにく別々の人生を歩んだけれど、どちらも発酵という道を奇しくも選んでいた。そんな味噌と納豆が強力タッグを組んでいる。おいしくないはずがない。

これからの季節、朝起きるともういきなり目眩がするほど気温が高かったりして出鼻をくじかれたりもするけれど、朝ごはんぐらいは自分のテンポでゆっくり呼吸を整えて、その日のスタートに向けて視点をしっかり定めたいと思います。

ようし、そろそろ仕事でもしてやるぞーう。

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