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東京にあたるスポットライト

娘のバイトが終わるまで15分ほど。小雨が降っていた。バイト先の近くにある古本屋さんに入って待つことにした。




小さな店の中に、ジャンル分けしてある本が並ぶ。入口入ってすぐ右側には絵本が並ぶ。自分の子どもたちにも買った絵本、昔からの定番絵本、外国が舞台の地元作家さんの絵本。
今のわたしには、その絵本たちをウキウキした気持ちで手にとる心意気がない。絵本探し、いつかしてみたいけれど。


小説やエッセイが並ぶ本棚で、きれいに並ぶ背表紙を眺める。
さらっと目を通していくと、一冊の本で視線がとまった。
ビニールのカバーがかかって、照明の光がスポットライトのように集まっている。

「ここにいるでしょ」

出会ったね、わたしたち。

『東京百景』というタイトル、今の自分が欲しているそのものである。
東京に住みたいという想いが引き寄せた本なのか。
又吉直樹さんのエッセイ集。東京のあちこち、100篇のエッセイ。

少しずつ楽しんでいきたい。
たった15分の滞在時間で出合えた1冊、この本の中の街とご縁ができるかもしれない。

『日比谷野外音楽堂の風景』というエッセイに出てくる曲、くるりの『東京』。

東京の街に出て来ました
あい変わらずわけの解らない事言ってます

いつかこの曲を口ずさむ日が来るだろうか。


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