【加藤商店】京都西陣/西京味噌 菌への感謝と共に地域の糀・味噌文化を支えていく
京都市内には麹だけで商売をしているいわゆる「糀屋」は無い(種麹屋菱六さんの話)そうですが、もちろん味噌屋はあります。京都といえば有名な「西京味噌」を認定する京都府味噌工業協同組合があり、7社が加盟しています。1社を除き京都市内の味噌屋さんです。
その中でも規模の小さな、でも目に見えないものへの愛が半端ない情熱の味噌屋さん「加藤商店」さんへ見学へ行きました。
京都の西陣に位置し、あの有名な料理屋さん「有職料理 萬亀楼」さんの斜向かいにあります。創業100年以上たち、現在は四代目加藤昌嗣さんが製造しています。従業員1名おられますが、基本的に加藤さんが一人で糀の守りをします。
何と言っても、京都ではもはや珍しいのですが。全量、木の蓋で手作りで糀を作っています。1度に150kg〜200kgの白米量を、室に引き込むので、非常に大変です。
原料米の選定、蒸し加減、種菌選び、引き込み温度、育て方、温度経過。
私も糀屋ですが、加藤さん、独特です。ほんと、味噌屋は万流。話が尽きない。加藤さん、めちゃくちゃ情熱的で、エクストリームトーク、炸裂です。やっぱ、生き物を扱ってるんだという意識が高い!
私も熱を帯びてきます。
そして熟成のお味噌は木桶!初代が醤油屋さんで修行されており、その木桶を譲っていただいたとか。それを100年以上、使い続けています。
しかし、加藤商店さんの真の素晴らしさは、木の道具にあるようで、実はそこではない。何より、見えないもの(菌)への愛が、そこかしこへ書いてあるんです。
ありがとうございます
ありがとうございます
ありがとうございます
ありがとうございます
そして、お味噌にも全量 ありがとうございます。
こちらの白味噌は、旨味が豊富なのが特徴。
この感謝の言葉は、加藤さんが味噌を作り始めた時、お父様が伝えたことだそうです。「えらいきつう言われましたわ」
実は17年ほど前になりますが加藤さんが大学生の時。お父様が急に倒れられ、「さあどうする」。加藤さんは「やるしかない」と決意し大学を休学、何もわからないまま糀や味噌を作り始めたそうです。
無事に命は助かったお父様の言葉、「見えないものへの感謝を持て」。それを、仕事をしながら実感することになります。それこそ失敗談も聞きましたよ。
大学では行政書士になると思って勉強していた加藤さん。もちろん糀や味噌のことは全くわからない。その中で同業者の助け、お客さんからの厳しい言葉、そしてもちろんお父様の言葉、、、、それを一つ一つ噛み砕きながら、自分のものにして行きます。だからこそ、加藤さんの言葉は真に迫り、パワーがある。並大抵のしんどさではなかっただろうと思います。
私は同じ糀職人ではありますが、背負ったものの大きさなど私にはありません。だからこそ、加藤さんへのリスペクト、大きいです。
そんな加藤さんを、梅小路醗酵所へ招いての醗酵トークの会を開きたいと思います。加藤さんの半生と糀・味噌作りのこだわりをぜひ聞いてほしい。実際の現場ならではの話も交えて、私ハッピー太郎が引き出したいと思います。
糀作り、白味噌作りを実践している人はもちろん、京都の食文化に興味がある人にもご参加していただけると嬉しいで
す。参加者同士気軽にワイワイ話す楽しい時間であることが大前提で、時にはマニアになることを厭わない、そんな感じを考えています。
講座というよりも、部活動です。
2021年5月9日【醗酵ハッピートーク!】京都西陣で創業100年加藤みそさんと糀・味噌作りを思う存分語る会
*予約状況:4月13日現在満席、キャンセル待ちとなります。
日時 2021年5月9日 10時〜12時
場所 梅小路醗酵所
参加費(試食とお土産つき)3000円・・・当日現金支払い
ご予約 happytarokotaro@gmail.com
*環境が整ったら、zoomでの有料配信やアーカイブの販売を考えております。追って連絡します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?