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全国学力テストから見える幼児教育の弱さ

全国学力テストから見えた「子どもの学力」2大弱点、説明力と批判的思考力
国語、算数・数学、理科に共通する大きな課題

ということで、記事が載っていました。

文部科学省は7月28日、今年4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を公表した。今回は、国語、算数・数学に加え理科の調査を行った。都道府県別の平均正答率を見てみると、例年上位県である石川、秋田、福井、富山が小学校・中学校ともにトップグループに位置している。回答の傾向を分析すると、これから求められる学力とそれを育てるための授業のあり方がクリアに見えてきた。

東洋経済ONLINE

まあ、この数字だけでは判断するのは非常に短絡的ではあります。

そもそも東京は25%、大阪でも10%ほどが私学に通っています。
私学は、全国学力テストに参加しない学校が多い。
となると、地方の方が点数的に見れば高いはず。

きいた話によると、
私学で参加しているところの生徒は、ほぼ満点らしい。

ということは、私学の教え方、
子どもたちの育ち方がやはり違うのだろう。

話は戻りますが、
共通する弱点について書かれています。

弱点は、「説明力」

正答率が低かった設問の1つが、小学校算数の2の(4)の設問

ここでは果汁の変化に伴う飲み物の量の変化を問うている。
まず、次の「ゆうかさん」の気づきが示される。

小学校算数 2の(4)

そのうえで、以下の設問が示される。

それほど難易度は高くないとおもうのだが、
正答率は48.0%
約半数の子どもができていないということになる。

「600ml」と答えを出すことはできても、
「どのように求めたのかがわかるように」
「求め方を式や言葉」を使って
説明することができていないということらしい。

600mlと答えられていても、

1つめの倍率の説明が欠落

2つ目の比例の説明が欠落

合わせて20.0%近くの子どもが
これらの理由で正答にならなかったという。

正解としては、

まず「果汁の量は、180÷30=6で、6倍になっています」
という倍率についての説明

その上で「果汁の量が6倍になると飲み物の量も6倍になる」
という果汁と飲み物の量が比例の関係にあることの説明。

最後に「飲み物の量は、100×6=600で、600mlになります」
という計算式と結論

説明には、3つの要素が必要となります。

こうなってくるとやはり国語力の問題でもあります。

個人的には、この問題であれば、
何倍という考え方も一つの答えの導き方かもしれないが、
数学的には、果汁の量30+60+90=180 なので 
100+200+300=600でも良いと思う。

ただ、果汁の変化に伴う飲み物の量の変化を
何倍という形で導かれているので
正解のやり方でないと、正解にはならないのでしょう。

ここの考え方が、どうも算数数学では、
答えが一つという考えが根本的にはあるのでしょうね。

もっと言えば、180は90の2倍なので、300×2でも良いわけです。

苦手なのには理由がある

しかし、結局のところ、今の子どもたちが、
こういう問題が苦手なのには理由があります。

幼児期に、親との会話で「なぜ」と聞いてきたときに、
忙しさに紛れ、親がちゃんと答えていないからです。
または、答えしか言わないからです。

一緒に考え、答えを導き出すという会話をしていない証拠です。

心理学では「質問期」と呼ばれ、
多くの子どもが通る一般的な成長段階です。

人間の脳内の神経回路は、
3歳頃には成人の80%程度まで成長するといわれています。

忙しい時に質問されてしまうと
「あとで」「さっき答えたでしょ」など、
イライラしちゃうこともありますよね。

「なぜ?」「どうして?」という子どもたちの質問は、
想像力や創造性の発達に関わります。

想像力や創造性を育てると、
子どもの人生を豊かにするともいわれており、
問題解決能力をも育むパワフルなスキルです。

質問攻めにあっている親としては大変な時期ですが、
子どもたちの好奇心の芽を摘まないことが大切です。

新たな「なぜ?」を見つけて、
大人と一緒に知識を探究する体験は子どもにとって特別なものです。

学ぶことが楽しい、と感じられるチャンスです。

考える楽しみ、答えを見つける楽しみを育てる大切な時期に、
親がつぶしてしまっている結果ともいえるでしょう。


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