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昔は親が子供を本気で叱るときは、仏壇の前に座らせて叱りつけた

私の知り合いのお坊さんが、
Facebookにすばらしいお話を書いておられました。
原文そのまま掲載しておきます。

この方は、壮絶な生き方をされている方で、
ここでは詳しくは書きませんが、
昔は、ある業界では、知らない人はいないくらいの凄い方でした。

昔は親が子供を本気で叱るときは、仏壇の前に座らせて叱りつけたものですが、今は家の中にこうした聖なる場所がなくなってきています。そのためかどうか、日頃私たちは、自分だけは死なないと思っていたり、それがいつまでも他人ごとであるのは、私たちが肉体にこだわって、死の対極にある健康を人生の大目標に揚げて生きているからではないでしょうか。しかしそれでも、身近に死が増えるにつれ、多くの人が死とは何か、死んだらどうなるか、死後の世界はあるのかということに関心がもたれはじめました。また、「死生観」に近いスピリチュアルの大衆化もあって、死に対する怖れやその恐怖から解放されることが豊かな時代の幸せの要因の必要性になってきているようにも思います。
 さて、フランスに「人と精」という寓話(ぐうわ)があります。ある妖精が一人の子供に一つの糸まりを与えて言いました。「この糸はおまえの一生の日々の糸だ。糸を早く引っ張ると時間が早く流れ、糸をゆっくり引っ張ると時間がゆっくり流れる。」まず、子供は大人になりたくて早く引っ張りました。愛する婚約者と結婚するために、子供たちが大きくなるために、利益や名誉を得たり、心配事から早く解放されたり、年とともにやってきた病気を避けたり、厄介な老人を終わらせるためにスピードを上げて糸を引っ張ったのです。その結果、子供は糸まりを与えられて4ヶ月と6日しか生きていなかったというお話です。  
 このことは、「命の大切さ」をどう思うかということが一番大事ですよといっています。「命の大切さ」というのは、人としての生き方そのものです。日頃どう生きているか、自分がどう生きているかを問いかけること、そのこと自体が命の大切さであると思います。そして、命というものは目に見えないものだけれど、私たちが使える時間こそが私の命なのではないでしょうか。若くして死んでも本当に自分らしくその時間を使っていたら、その人は長生きをしたことになるのではないでしょうか。命を大切にするということは、ただ病気をせずに長生きするということではなく、どう自分らしく命を使うかです。これこそが人生最大の仕事である自分が作る自分らしい自分自身の死ではないでしょうか。
 この世で生きることは苦しいかもしれない。だけど、その苦しみを超えることができれば道が開けてくるはずです。そのためには、何ごとにもとらわれない。こだわりをなくせば、何も恐れることはなくなるのです。はかないものであればこそ大切にする。明日のわからぬ人生であるのに、今生きていることはなんとすばらしい事実だろうか。実はこれが「ありがとう」です。「生きて有ることが難し」と感じて後悔のない死を迎えることです。
 お釈迦さまは、普段どおりに生きて普段どおりに亡くなっていきました。生きてきたように亡くなっています。生きざまがそのまま死にざまになっています。あらたまって身構えることなく、普段の生活を自分の生き方の目的にそって日々整えているだけです。誰かに強制されるのではなく、自発的に生活が簡素に、また静かになるように整えるのです。私たちにとっては、こうありたいと願う人生にかなう生活の習慣を身につけるということです。そして、生き方が定まれば死に方もおのずと定まってきます。それが覚悟ではないでしょうか。私たちも臨終のときにはじめて覚悟するのではなく、今ここで覚悟を決めるということが大切なのではないでしょうか。日頃から、自分自身の生き方をよく振り返っていれば、それ自体が臨終のときの処し方につながっていくのではないかと思います。
 感謝をもって今日の幸せを感じて生きること。
明日の健康、自分、仕事を信じて明日の幸せを信じること。
夢を持っている今が幸せというように夢を自覚して生きること。
相手を通して得る幸せを知り、人を幸せにすること。
不幸は自分が勝手に作り出していることに目覚め、不幸を幸せに変えること。
これらは、生きて死ぬ智慧であり、死んで生きる智慧でもあるのです。

東 和空 Facebook

昔は親が子供を本気で叱るときは、仏壇の前に座らせて叱りつけたものですが、今は家の中にこうした聖なる場所がなくなってきています。そのためかどうか、日頃私たちは、自分だけは死なないと思っていたり、それがいつまでも他人ごとであるのは、私たちが肉体...

Posted by Wakou Higashi on Tuesday, July 12, 2022


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