「やりたくない」という心の声に従ったら、幸せに働ける職場に出会った話
私は20代の終わりから40代後半の今に至るまで、自分で自分を幸せにする「幸せの自給自足」を実践し続けている。
きっかけは、大学を卒業し医療人として働き始めた私が、幸せを感じる毎日を過ごせずに苦しんだことから始まった。
仕事も恋も全く上手くいかず、心は焦りと不安でいっぱい。
今振り返ると、全てに置いて経験が不足しているがゆえの、「若気の至り」というやつだ。
世の中には自己啓発の本が溢れかえり、どの本にも決まって「やりたいことをしなさい」と書かれていた。
幸せを感じられなかった私は、「やりたいこと」を考えても全く浮かばなかった。
「やりたいこと」が見つからない私は、幸せになれないんじゃないか?
そう思ってガックリした私は、ふと思い直したのだ。
幸せを全く感じられない私でも、「やりたくないこと」は感じることができたからだ。
そこで私は勇気を出して、一番ストレスを感じる「仕事」を辞めてみた。
当時の私は新米ドクタ−で治療の技術も経験も乏しく、自分に自信が持てない状態。
そんな私を雇ってくださった院長には申し訳ないが、私の性格には病院の方針があっておらず仕事をするのが辛かったのだ。
しかし仕事を辞めれば収入がなくなる。
そこで、しばらくはアルバイトでいろんな病院をめぐることにしたのだ。
すると、行く先々のバイトの仕事が、自分に合わないと感じるのだ。
場所も相手も違うのに、まるで『法則』のように同じような苦しい状況に陥ること数回。
そこでようやく気がついた。
ならばこの法則が発動する原因を探さないといけない。
私は苦しみながらも、なんで自分に合わない職場でバイトしてしまうのかを探った。
すると答えは明白だった。「恐れ」である。
お金がないと困るから、怖いからという「不安」から職場を選んでいるのが原因だったのだ。
自分を大切にしてくれる職場ではないと、行く前からわかっているのにお金のために働いていたのだ。
でも背に腹は変えられない。お金は生きていく上で重要課題だ。
果たして、お金も稼ぎながら、楽しく働ける場所などあるのだろうか?
これは正直、試してみないとわからない。
私は自分が心から働きたいと思える病院に出会えるまで、どんなに不安でも正社員にならずにバイトで生活を続けた。
結論から言うと、20件ほど病院を巡ってみて、心から幸せを感じて働ける職場が3件見つかった。
これを少ないと感じる人もいるかもしれない。
しかし、自分が諦めずに探し続ければ、必ず幸せに働ける職場は存在することを私は知ったのだ。
この時、なぜ私が幸せに働ける職場に巡り会えたのか?
それは、好きではない・働きたくないと感じた職場は、どんなにお金や将来に不安があっても正社員のお誘いを受けても徹底して断ったから。
中途半端に正社員にでもなろうものなら、次に待っているかもしれない運命の職場を逃がしてしまう。
そして同時に、私はいろんな病院で働くことを通して、自分の治療に対する自信がついたことだ。
自分に自信がついたことで、私は自分を大切にすることができるようになったのだ。
以前の私はよくそう思ったものだ。
しかし、今の私は違う。
できないことは、できる人にお願いすればいいだけのこと。
そう心から思えるので、ストレスも不安もなくなった。
今現在、縁あって私は15年以上同じ職場で診療を続けることができている。
上司にも同僚にも恵まれ、とても良い環境で幸せを感じながら仕事をしている。
もし20代後半の私が、自分にあった職場を探すことを諦めていたら?
きっと今も、不安をモチベーションにストレスを抱えながら仕事をしていたに違いない
自分を大切にすることで、人生はスルッと上手く行くことがある。
「やりたくない」という心の声は、わがままではなく幸せになるためのメッセージ。
その小さな声をちゃんと聞いてあげたことで、私は幸せに働くことができている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?