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私がダイビングインストラクターになるまで【5】

旅を途中で止めて、残りのお金をダイビングのために使うことに決めた私。ケニアから南アフリカまで縦断した後、3ヵ月半ぶりのエジプトに帰ってきた。

期間は未定。取得予定の資格を取り、満足するかお金が無くなるか、といったところだ。

ちなみに私が取得していたのは世界最大のダイビング機関である「PADI」のCカード。正式名称はCertification Card、 ダイビングの認定証のことをいう。以下の写真のように段階を踏んで、レベルアップしていく形となる(この辺りを解説していくと長くなるので、かなり省略して進めていく)。

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アフリカ前のエジプト滞在で取得したのは「オープン・ウォーター・ダイバー」と「アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー」。

今回戻ってきて目指すのはプロ資格の第一歩である「ダイブマスター」だ(名前がかっこよくて当時憧れたのもある)。


その1つ前のステップである「レスキュー・ダイバー」を、たまたま同じように旅人でダイビングにハマった女の子たち3人で受講。水中での人の引き揚げ方や水中捜索の仕方を学んだ。

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物価が安いエジプトは、前の記事でも書いたようにダイビング料金もかなり格安。日本じゃ考えられない値段で潜ることが出来るため、私のように旅の途中でエジプトへの長期滞在を決め、ダイビングに費やす人も少なくなかった。


その後始まった「ダイブマスター」のコース。

通常は10~15日くらいで取得することも出来るコースだが(例えば日本で一般の方に向けて開催している日程は大体このくらい)、現地ショップで私にダイビングを教えてくれたインストラクターYさん(上記写真左)は最低でも2カ月という期間を設定していた。取って終わりではなく、その後ダイビングを仕事とすることがあった時のために、より実践的に進めていきたいからという理由からだった。

今思うと、この長期設定での受講が本当にタメになった。

というのも、滞在していたダハブという町には引っ切りなしにCカード取得を希望して日本人旅行者たちがやってくる。クリスマスや年末年始は、30人ほども集まるほどだ(もちろん潜らずに海沿いでのんびり目的の人もいる)。

私が最初受けた時のように各チームそれぞれ4~8名くらいの受講者がいて、1チーム終わればその午後から新しいチームといったように、とにかく講習が続く。

なのでダイブマスター講習も何かを教わるというのではなく、新しい人たちにアドバイスをしたり、準備を行ったり、インストラクターのフォローに入ったりとひたすら実践的な内容で進んでいった。合間合間に時間を見つけて自分の学科勉強をし、テストを受け、必要な海でのスキル課題をこなすといった感じだ。

そんな形で自分がアシスタントにつかせてもらった講習生は2ヵ月で約100人。なかなか忙しい日々だったが、日本に帰国後ガイドとして働くことを決めたとき水中管理やコントロールを誉められたので、良い時間だったんだなと改めて実感した。

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今こうやって書きながらも、各チームいろいろなドラマがあったなと、懐かしい気持ちになる。

とにかく元気で賑やかだったり、トラブル起こす人が集まっていたり、逆に全く手がかからないくらい上手だったり、初対面とは思えないくらいチームワークが良かったり・・・

日本を離れエジプトという土地で、出身も年齢も境遇も違う日本人が集まり、ダイビングを通じて仲良くなる。ダイビング中はお互い助け合い、陸上ではその日の海の出来事を語り合い、朝昼晩と同じ時間を過ごす。

そんな時間を楽しいと感じるのは私も同じだったし、ますますダイビングが好きになった。

そして、「海って、水中って、本当に楽しい!」だけでなく、「人に何かを教えるって楽しい」「出来なかったことが出来たときの嬉しそうな顔が見たい、その手伝いをしたい」という気持ちが生まれ、ダイビングを仕事にしたいと思うようになった。


【6】に続く





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