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「まちがえていいんだよ」

「まちがえたらどうしよう」
「うまく言えなかったら恥ずかしい」
「こんなこと言ったら嫌な顔される 」
こどもに限らず、大人になった私たちの方がむしろ「まちがえる」ということへの恥ずかしさや不安があるかもしれません。正しい答えが1つしかないこともありますが、私たちの日常や社会の多くは正しい答えがあったないような場面の方が多いのではないでしょうか。不確実性な社会だからこそ、こどもも大人も「まちがえていいんだよ」。そして、今の職場でまた私たちの持続可能な社会にとってベストの答えがなにかを問い合う関係をつくっていきたいという想いを重ねて、「教室はまちがうところだ」の詩(蒔田晋治:作)をシェアします。

「教室はまちがうところだ」の詩 蒔田晋治

教室はまちがうところだ
みんなどしどし手を上げて
まちがった意見を言おうじゃないか まちがったこたえを言おうじゃないか

まちがうことをおそれちゃいけない まちがったものをわらっちゃいけない
まちがった意見をまちがった答えを ああじゃないかこうじゃないかと
みんなでだしあい言い合うなかで ほんとのものを見つけていくのだ
そうしてみんなで伸びてくのだ

いつも正しくまちがえのない 答えをしなくちゃならんと思って
そういうとこだと思っているからこそ まちがうことがこわくてこわくて
手も上げないで小さくなって 黙りこくって時間がすぎる

しかたないから先生だけが 勝手にしゃべって生徒はうわのそら
それじゃあちっておも伸びてはいけない

神様でさえまちがう世の中
ましてこれから人間になろうとしている僕らがまちがえたって
何がおかしいかあたりまえじゃないか

うつむきうつむき そうっと手を上げた手 はじめてあげた手
先生がさした どきりと胸が大きく鳴って どきどきっと体が燃えて
立ったとたんに忘れてしまった
なんだかほそぼそしゃべったけれども なにを言ったかちんぷんかんぷん
私はことりと座ってしまった

体がすうっと涼しくなって ああ言やあよかった こう言やあよかった
あとでいいこと浮かんでくるのに それでいいのだ
いくどもいくども おんなじことをくりかえすうちに

言いたいことが言えてくるのだ
はじめからうまいこと言えるはずないんだ 
はじめから答えが当たるはずはないんだ

なんどもなんども言ってるうちに まちがううちに
言いたいことの半分くらいは どうやらこうやら言えてくるのだ
そうしてたまには答えも当たる

まちがいだらけの僕らの教室 おそれちゃいけない ワラッちゃいけない
安心して手を上げろ 安心してまちがえや
まちがったってワラッたり ばかにしたりおこったり
そんなものはおりゃあせん

まちがったって誰かがよ なおしてくれるし教えてくれる
困った時には先生が ない知恵しぼっと教えるで
そんな教室作ろうやあ

おまえへんだと言われたって あんたちがうと言われたって
そう思うだからしょうがない だれかがかりにもワラッたら
まちがうことがなぜわるい まちがってることわかればよ
人な言おうが言うまいが おらああ自分であらためる
わからなけりゃあそのかわり 誰が何言おうとこずこうと
おらあ根性曲げねえだ そんな教室つくろうや

まちがえを恐れるよりもチャレンジを

まちがえをあえて選択する必要はないけれど、その時点だそれが正しいという選択をしたのであれば、それでいい。仮にそれがまちがいだとしたら、誰かに教えてもらうか、自分で答えを導き出すか、ただそれだけのこと。選択した自分の答えに責任を持ち向き合うだけ。

正解や正しさだけを求めて萎縮したり、行動を起こせずにいることがむしろリスクかもしれない。

またこの詩は、絵本にもなっています。まちがうことは恥ずかしいことでも、笑われることでもないことを力強く教えてもらえる一冊です。
そんな場を教室だけでなく、職場で地域で社会で創っていきたいですね。
 


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