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知ることは感じることの半分も重要ではない

「知ることは、感じることの半分も重要ではない」とは「センス・オブ・ワンダー」の著者、レイチェル・カーソンの言葉。子育てをする中で自分の無力さを感じた時に、また複雑に物事を考えてしまいがちな時にもふと振り返る言葉(ひとこと)の一つです。素敵な言葉溢れるこの一冊について綴ってまいります。

著者のレイチェル・カーソンについて

海洋生物学者でありアメリカのベストセラー作家のレイチェル・カーソン。
今ようやくにして海洋汚染や地球環境破壊について全世界的な課題として取り組みが進みはじめていますが、それより随分前の約60年前の1962年に「沈黙の春」の中で警鈴を慣らした第一人者です。

この「沈黙の春」の執筆中にがんに侵されながらも、環境の汚染と破壊の実態を告発し、発表当時には世界中に大きな反響を引き起こし、農薬の使用制限を法制化と地球環境への発想の転換のきっかけの本でもあるのです。

レイチェル・カーソンはピッツバーグ郊外の田園地帯で育ち、母マリアから自然の美しさや神秘をじっと観察することを教わり、どんな小さな生命も大切なこと、それらあらゆる生き物が互いに関わりあいながら暮らしていることを共に感じていたという。

レイチェル・カーソンは、地球の素晴らしさは生命の輝きにあると信じていた。地球はあらゆる生命が織りなすネットで覆われている。その地球の美しさを感じるのも、探求するのも、守るのも、破壊するのも人間なのである。
彼女は、破壊と荒廃へつき進む現代社会のあり方にブレーキをかけ、自然との共存という別の道を見出す希望を幼いものたちの感性の中に期待している。

残念ながら最後の作品となった「センス・オブ・ワンダー」は彼女からの私達への遺言。ぜひ手にとってほしい一冊です。

センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性

この本は、レイチェルの姪の息子ロジャーとの海辺や森の中を探求した一瞬一瞬を、そして自然の美しさや神秘を共に感じることの大切さを感じさせてくれる。それがまるでレイチェルと母が過ごしたように。

「センス・オブ・ワンダー」=神秘さや不思議さに目を見はる感性

成長し大人になることで、知識を増やすことが重要視され、自分が知らないことに恥ずかしさや自分の愚かさを感じることしばし。この感性から遠ざかってつまらない人工的なモノに夢中になり、自然から得られるチカラの源泉から遠ざかっていく。

子育て中は特に、こどもの好奇心に満ちた質問を投げかけられるたびに、親として大人としてちゃんとした答えを出すことにフォーカスしがちで自分の無力さを感じるもの。そんな時に出逢ったこのひとこと(言葉)が勇気づけてくれました。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれた時の感激、思いやり、憐れみ、驚嘆や愛情などの様々な感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。

そう、こどもに何か聞かれた時に答えをもっている必要はないんですよね。(もちろんあった方がいいですが)それよりも、一緒に今、ここをじっくりと感じる、その気持に触れる、そして一緒に考え探し出す時間を過ごすことがより価値があると。

実は、これは今大人の育成や対話をする時に大事にしていることでもあります。考えたことよりも感じたことを。私達に生まれながらに備わっているチカラに触れて、取り戻すことは大事かもしれません。

オススメの一冊。レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」ぜひ手にとってみてくださいね。

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