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怒りの感情とつきあう・その2

私たちは怒ることで後悔することがありますが、怒らなくて後悔することもあります。その怒りは、「防衛感情」で人にとってなくてはならない感情ですが、自分の中にマイナスの感情や状態がある時ほど、大きくなりやすいようです。しかも、怒りという感情は唯一人生を破壊するパワーのある感情とも言われています。怒りで後悔しないために、怒りの感情が湧き上がった時にどう対処するのかを綴っていきます。
怒りの感情とつきあうその1はこちらから↓↓↓


怒りの感情が湧き上がっても、反射してはいけない

これをお読みになられた方には、ぜひこれだけは覚えてほしいこと。それは、怒りが湧き上がった時に決して反射しない、ということです。

反射とは、

外からの刺激によって生じた生体内の興奮が、大脳まで伝わらず脊髄などで折り返し、意識とかかわりなくただちに特定の応答が起こること。
                                                                                                           〜goo辞書〜

ある外からの刺激に対して、意識と関わりなくすぐに起こる応答のこと。
ここでいう反射は、考えもせずに何かを言ったりしたりすることです。まさに言い返す、売り言葉に買い言葉、言うつもりのないことまでつい口走ってしまう、そんな状態のことです。

反射した後は、もはや後の祭り。「なんであんなことを言ってしまったんだろう?」「そこまで言うつもりはなかった」...
せっかくコツコツと積み上げてきた信頼や信用も、一瞬にして崩れ落ちてしまう。そんな後悔につながる経験はなかったでしょうか?

怒りの感情と上手につきあうために、怒りで後悔しないためにも、何がなんでもすべきことは「反射しない」ことです。ひとまず「待て」です。

待つ間にやること、怒りの点数をつける

反射しない、ひとまず待つ、と言っても「待つってできないよね」、という声が実はよく聞こえてきます。ただここで、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。なぜ待てないのか。あくまで反射という、無意識の反応だから無理だよね、ということはあるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか?そもそも待つということを意識的にする選択してこなかったことの方があるのではないでしょうか?

ということで、ここは脳機能を使った対処法でお伝えすると、無意識レベルを意識レベルに引き上げることです。つまり「待つ」を意識する、です。イラッとした、怒りが湧き上がったという時に待っている状態をイメージします。自分が怒りという感情にちょっと向き合ってみる、そんな感じです。そして待つ間にすること

「怒りを数値化する」です。つまり怒りに点数をつけます。心が穏やかな状態を0点、人生を破壊するほどの怒りを10点としましょう。今、目の前の出来事は何点になるでしょうか?怒りがコントロールできない、と思っている人が多いのは、怒りが見えないものだからです。見えると対処ができるようになります。見えるようにするための手段として数値化するということです。

例えば、今日の気温は28度、もしくは気温マイナス3度だ、と言われた時に皆さんはどんな服装を選びますか?その日の気温が数値化されると、何を着るか、どう行動するかの対処ができるようになるということです。

怒りが湧き上がったら、反射せずに待つ、その上で怒りに点数をつけてみて下さい。昨日の怒りと比べると4点?これが3点だと、その前は?最初は点数はあいまいですが、やっていくうちに以外に低い点数で落ち着いてくるでしょう。点数が低いようであれば、怒る必要はないかもね、と対処を変えることができるのです。無駄に怒らなくなるものです。

待つ間にすること、そのほか

その他にも、落ち着く言葉を繰り返す(コーピングマントラ)という方法があります。例えば、「大丈夫」「どうにかなるさ」「まーいっか」といった、自分にとって心が落ち着く、楽になる言葉を繰り返し唱えていくことです。ちなみに私のコーピングマントラは、メロディ付で「♪おかあさん、なあに♪」です。育児でしょっちゅうイラッとしていた時、長女から「お母さんの笑っている顔が大好きだよ」というメッセージが。お母さんって呼ばれたら「なあに」と笑顔で応える母でいよう、という決意を刷り込んでいます。

また、待つ間に深呼吸をするということも有効です。怒りにつながる出来事に意識をとどめぬよう、自分の呼吸に意識を向けていきます。その時は、怒りが吐く息とともに出ていくように、まずは息を吐く、です。できれば、腹式呼吸でお腹もぺちゃんこにしながらゆっくりと息を吐ききっていく。そうすると自然に空気が入ってくるので身体に循環させたら、また吐く。これを3回繰り返すのです。

それらがどうしてもできそうにない、という場合の手段としては、その場をあっさり離れましょう。反射して待てずにいることで後悔に繋がるのであれば、その場を離れることができるという選択肢も頭においていて下さい。ただし、人とのやりとりでその状況になった場合には相手により不信感を抱かせるので、一言お断りをしてから離れるようにして下さいね。

怒りはコントロールできる

改めて、トレーニング次第で怒りはコントロールできる感情です。できなかった腹筋を意識的に毎日コツコツとやり続けることで、一回、また一回と増やして50回が余裕でできるようになるように。

まずは、怒りとおつきあいできる、怒りはコントロールができるということ、その上で怒りの感情が湧き上がったら、反射せずに待つための行動を続けてみて下さい。最初はうまくいかずとも、意識し続けることで、反射する数が減り、待つこと、客観視することができるようになるはずです。
そのために「アンガーログ」という怒りの記録をすることもオススメします。アンガーログについては、こちらから↓↓↓

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私達にとってなくてはならない感情の一つ「怒り」。怒りは少々悪とされがちですが、怒りはとてもパワフルでエネルギーとなる感情でもあります。怒りを言動力として、試合に勝ったり、大きな社会問題を解決したり。良い方向へと発散できるようにするためにも、日常で湧き上がる怒りという感情と上手に向き合っておつきあいしてみてください。

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