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怒りの感情とつきあう・その1

喜怒哀楽。感情を表す四字熟語にも登場する「怒り」は、私たちにとってなくてはならない感情の一つ。とはいえ、この怒りの感情に振り回されたり、嫌な思いをすることも多いのではないでしょうか?
私たちは怒ることで後悔することがありますが、怒らなくて後悔することがあります。そんな怒りという感情のつきあい方を2回に分けて綴ってまいります。

怒りとは、防衛感情

「怒り」を調べてみると

怒り(いかり、英: anger)とは、人間の原初的な感情のひとつで、様々な要因・理由で起きるもの             〜wikpedia〜

「怒り」は、私たちにとってなくてはならない自然の感情の一つです。怒りがない人はいないですし、なくすこともできません。ということは、怒りには何らかの役割があるということになり。その役割とは、

怒りは身を守るための防衛感情

怒りは、一見すると攻撃の感情と思われがちですが、全く真逆で「防衛感情」なのです。つまり、怒っている人は何か攻撃をしたいと傷つけたいと思っているのではなく、自分が傷つけられた、もしくは大事にしているものを脅かされたことへの防衛反応として怒ったという解釈です。

大事にしているものとは単に物質的なものもありますが、その人が持つ信念や価値観、プライドや地位といった目には見えないものも含まれます。

怒りとは、防衛感情です。そう考えると、怒っている人の背景には、何らかの守りたいものや大事にしたいものがあるということが言えます。

怒りの正体は、「べき」

私達はそれぞれ目の前にある何か、に対してこうあってほしい、こうあるべきという理想をもっているようです。
例えば、「部下は先に挨拶すべき」、「上司は部下に寄り添うべき」、「こどもは親の言うことを聞くべき」、など...。その人が持つ理想の「べき」が現状は違っていた、目の前で裏切られたというギャップに対して怒りがでてくるというわけです。

そう言われると思い当たることはありませんか?
連絡もなしに約束の時間に遅れてくる部下。
背景に耳を傾けずに一方的に自分の要求を押し付ける上司。
玄関で靴を揃えないこども...

これらにはどんな「べき」が隠れているでしょうか?
時間に遅れるなら一報いれるべき。
人の意見に耳を傾けるべき。
靴を脱いだら揃えるべき。

のようなものでしょうか?

つまり、怒りは何も外からやってくるというよりは、自分自身の中にある「べき」によって引き起こされるということになります。

怒りが生まれるメカニズム

怒りは、自分自身の中にある「べき」が正体であるというわけですが、その「べき」が裏切られた時には必ずしも怒りが生まれるのでしょうか?

例えば、こんなことはないですか?
車を運転していたら赤信号になった。まあ信号なので、色が変わるのは当然なので、これだけで怒りを感じる人はいないでしょう。

でも約束の時間に間に合いそうにない状況。前回も時間ギリギリで先方にバタバタした姿をみせてしまっている。絶対に遅れてはならないと焦りのある中での赤信号だとしたらどうでしょう?

同じ出来事があり、たとえ「べき」が裏切られたとしても、とても怒る時とあまり気にならない時があるということです。この違いは、自分の中にマイナスの感情(焦りや不安、悲しみなど)や状態(疲れている、眠い、お腹がすいた)に影響されるということです。このマイナスな感情や状態が自分の中にあるほど怒りが出やすく、大きくなるのです。

コロナ禍で怒りやすくなっている

改めて、このコロナ禍という状況の中、人がイライラしやすく怒りやすくなっているということを感じている人も多いのではないでしょうか?
怒りのメカニズムからすると、自分がコロナになるのではないかという恐怖、いつまで続くのかという不安や焦りなどのマイナスな感情が増えやすくなっています。同時に、移動や行動の自粛をされるためのストレス、リモートワークによる目や腰の疲れなどマイナスの状態が増えた人も多いのではないでしょうか。つまり、コロナ禍においては怒りが発動しやすくなっているともいえます。

とはいえ、これを単に容認しましょうということではありません。
怒りの感情が湧き上がったらどう対処するのか、なくてはならない怒りの感情とどうつきあっていくのかについて、次回綴ってまいります。

ちなみに、私は日本アンガーマネジメント協会に所属し、アンガーマネジメントトレーナーとしての活動も行っております。興味ある方は、ぜひコメント欄よりお問合せくださいね。



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