「わかりました」の現在地を知る
「何度か同じ注意をしているのですが、直りません。本人は注意したら『わかりました』とは言いますが...どうしたらいいでしょう?」というご相談をしばしうけることがあります。注意された方から「わかりました」の返事はあるものの行動変容がない。そんなお悩みは多いのではないでしょうか?そんな時の対処法について綴ってまいります。
「わかりました」「大丈夫」は要注意ワード
管理職や上司として指導や注意をした後、部下からのきっと理解したであろう返事なのに、実際には行動が伴っていない時の返答の一つが「わかりました」です。また似たような言葉に「大丈夫です」というのもあります。そのため、これらは要注意ワードとして、その言葉を多用する方の行動を観察するようにしています。
この「わかりました」や「大丈夫」を使う場合は、文字通りその意味であってほしいのですが、その後の行動変容がないとすると、残念ながらこちらが期待していることに対しての返答ではなかった、と解釈して別のアプローチをする必要があります。
部下育成や指導においては特に、その部下に届ける「言葉」が、期待する「目指す行動」と一致していることが重要です。
「わかりました」の現在地を知る
この場合の別のアプローとして、まずは「わかりました」が何に対しての返答であるかを確認する必要があります。それは部下の現状、つまり現在地です。
「わかりました」を単に「言われたことは受け取ったよ」という反射的に返していないか?つまり「わかりました」の使い方に根本的に特徴があるかもしれません。これは、普段の会話の中において観察してチェックしていくことができます。
特にそのワードを多用する場合、わからない時に、わからないと言って嫌な思いをした経験があったり、相手を安心させる言葉だと無意識に使っている可能性もあります。「わからない」という言葉を使うこと自体が、自己否定に直結するため使わない選択を無意識でやっています。この場合は、少し専門的に深堀りする必要があるかもしれません。
その次にチェックするのは理解力です。指示や指導の内容について、何をどこまでわかったか言っているのか、どう動けばよいかがイメージできているのか、ということです。
具体的には次の2つをチェックします。
1.知識
2.技術
知識とはその意味含めて言葉で説明できること、技術はやろうと思ったら行動できること。この現在地のどこで躓いているかがわかると、アプローチの仕方はそれに応じて変えるということになります。
求めている行動を具体的に伝える
部下の現在地がわかったら、次は求めている行動を部下の理解力にあわせてできるだけ具体的に伝えることです。言葉の意味がわかっているかどうかを知りたい場合は、質問によって確認するのみです。ただし、その場合に「じゃあ、この言葉な何を言ってるの」「言ってる意味わかってる?」と詰問にならないようには注意して下さい。
あくまで、部下の現在地を確認したいことと、これから先にどう動く必要があるかをお互いに一致させ、部下がスムーズに行動できるようサポートしているということです。
具体的に教える手順については、以前の記事でご覧下さい。
一度に解決しようとせず、部下の状態に応じて段階的に増やしていくこともオススメします。
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