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その共感、危険じゃないですか?

現在中3の息子が不登校になって以来、私はさまざまな立場やジャンルの人と意見交換をしてきました。この1年半で世の中の不登校についての認識が広まり、時代が変わってきていることを感じています。

同じような悩みを抱える親御さんとの出会いにも恵まれ、さまざまな事例や情報に触れるようになったからこそ、時に深く考えさせられます。

地域や学校によっては、すでに新学期が始まっていますが、長い夏休みが終わりに近づいている今、夏休みが終わるこの時期だからこそ伝えたいことを書いてみます。

受け入れられつつある不登校

「不登校は個人の問題である」という認識が大半だったと思いますが、いまは必ずしも個人の問題というよりも、学校の問題や教育のあり方が議論されるようになりました。

テレビでも「不登校」について頻繁に紹介されるようになりました。 私の息子も出演したNHK BSのドキュメンタリー「不登校がやってきた」シリーズは、大きな反響をもたらしました。

あの番組を見て、「不登校に対するイメージが180度変わった」という方もいました。

不登校に関する書籍もたくさん出版されています。ブログやSNSで不登校に関する発信をする人も珍しくなくなりました。

いまや不登校は特別なことではなくなりました。不登校の当事者だけでなく、それまで不登校に関心がなかった人や不登校を経験したことのない多くの人に関心を持たれるようになりました。

実際に、私の友人や知人にもさまざまな事情により「子どもが学校に行っていない」家庭が増えました。

不登校の親がつながる多くのネットワークやコミュニティが誕生し、母親どうしの井戸端会議で不登校が話題にのぼることも珍しくなくなってきました。

世の中の不登校に対する理解が進んできて、それが良い方向に向かっていることは確かです。 そんな中、最近私が気にかけていることがあります。

奮闘する親と子

子育ては本当に大変ですよね。仕事、家事、育児、それだけでも重労働なのに、そこに不登校の問題が入ってきたら、それまでと同じ体制を維持するのはとても難しいです。 特に母親は、毎日がバトルです。世の中のお母さんたちに共感する声が大きくなったのは、すごく良いことですよね。

一方で、忙しくてがんばっている保護者は賞賛されている反面、子どもの心が置き去りになっていないでしょうか?

子どもが行き渋っている時に無理に学校に行かせている親は今でも多いです(私も経験がありますw)。

子どもの「学校に行きたくない」をどう受け止めれば良いのか、悩むところですよね。

本人は嫌がっているけれど、学校を休ませることになったら、小学生の子どもを家に一人で置いておくわけにはいかないから、仕事をどうしよう、職場の人に迷惑かけちゃうしと悩みます。

私のような個人でスケジュールを決められる自営業の身分でも、仕事によっては休めない場合があります。

仕方がないから、本人が嫌でも今日1日だけなんとか学校に行ってもらおうとか、いろんな考えが頭をかけめぐります。

保護者が在宅の場合でも、子どもに家にいられることで、自分の時間がなくなったり、お昼ご飯を用意しないといけなくなったり、勉強もさせなくちゃと、ストレスに感じることもあります。

周りの目だって気になります。「学校に行っていないね」と近所の人に気づかれないようにと気をつけるのは、大きなストレスになります。

行く前は嫌だったけど、行ってみたら案外楽しく過ごせちゃったという経験は、誰にでもあるから、とりあえず学校に行かせてみようということも。

しかし、自分の考えやエゴを優先して子どもを学校に行かせる行動は、今日が大丈夫でも本人の将来に影を落とすことになりませんか?

親と子はどちらを優先すべきか?

お母さんが心身ともに健やかであることは、子どもの健やかな成長に欠かせません。お母さんのメンタルが整っていないと始まらないし、お母さんがハッピーでいることが子どもの幸せに直結します。

だからこそ、お母さんを支えることはとても重要です。そこが肝だと思います。お母さんが癒されれば、子どもも精神的に安心して過ごすことができると思います。

でもだからといって、お母さんのすべての行動を肯定するのではなく、子どもの利益をもっと考えても良いのではないかと感じることがあります。

というのが、お母さんの行動によって、子どもの安全に関わる場合があるからです。お母さんの苦しい気持ちに寄り添ってあげることは大切です。私もどれだけ救われたことかわかりません。

一方で、もしお母さんの行動が、虐待であったり子どもの命を縮めることにつながることだったら?

お母さんが子どもを無理やり学校に行かせて、今日は平穏無事な一日で終わるかもしれないけど、無理やり行かされた(親に自分の思いをわかってもらえなかった)子どもの未来は保障されているのでしょうか?

今がよくても、3ヶ月後、1年後、10年後も、その子は元気で生きているでしょうか?

何十年も子ども部屋に引きこもっている人の多くは、子どもの頃に親に無理強いをされ続けた経験があると聞きました。

親に受け入れてもらえない寂しさや悲しさを抱えた子どもは、やがて生きる意欲を失い、自分の殻に閉じこもり、無気力になってしまうかもしれませんよ。

第三者が口を出すことは難しいですが、あなたの周りにいるお母さんの言動が問題だと感じた場合は、気づきを与える言葉をかけてみませんか。

お母さんの苦しい心に寄り添ってあげることは大切です。でももしお母さんが加害行動をしていたら、その行動を肯定するべきではない時があります。

あなたの言葉で、お母さんがハッと気づき、子どもの命を守ってあげることができるかもしれません。

子どもの本質を探れる人

最近は発達障害の診断を受ける子どもが増えていますよね。

わが子への対処法がわからなくて、もしくは学校で配慮してもらうために、お医者さんからの「診断」を求める親御さん。診断してもらったら、今度は「症状」に効く薬を処方してもらい、「症状」を抑えるための薬をわが子に飲ませる。薬を飲まされた子どもはますます深い闇に入り込んでいく。。。

そんなケースが増えているように感じています。わが子に不要な薬を、お医者さんに言われた通りに安易に飲ませていませんか?

発達障害って、もはや巨大ビジネスだなと怖くなることもあります。中学受験のように親と子がカモにされているように私には見えます。

学校を行き渋るとかかんしゃくを起こすという「症状」だけにフォーカスするのではなく、わが子の様子をもっともっと観察して、わが子が何に困っているのかを探ってみませんか?

子どもの本質を一番理解してあげられるのは、ふだんから一番近くにいるお母さんだと思います(お父さんの場合もありますね)。

ネットや本で調べまくっても、あなたのお子さんにとっての正解は永遠に見つからないでしょう。

専門家のアドバイスも耳を傾ける価値があると思いますが、まずはお母さんが子どもの気持ちを受け入れ、観察し、どんな状態にあるのかを探ることこそが、親ができることだと思います。

何に困っているのかつかめたら、それを改善できる環境を整えてあげる。それが親の役目ではないでしょうか。

自分の価値観や感情を入れずに、まずは子どもの意思をニュートラルに受け入れてあげることから、すべては始まるのではないでしょうか。

お母さんだって苦しんでいる。お母さんは誰よりもがんばっている。そんなお母さんに共感し支えることは大切ですが、お母さんの行動がなんでもかんでも肯定されすぎていないでしょうか。



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