不登校の始まりは、小4の行き渋り

現在中1の息子は、小4のある日突然、学校に行きたがらなくなりました。今から3年ほど前のことです。

おなかや頭を痛がっていましたが、直感的にみて体調不良という感じではありませんでした。行きたくないって泣くので、無理やり学校に送り出せる状況ではありませんでした。

でも、子どもどうしのトラブルがあったわけでもなく、中年男性の担任の先生のことは好きだったから、これといって思い当たる理由はありませんでした。

なぜわが子が突然学校に行きたがらなくなったのか、私はさっぱり理解できませんでした。

そして本人が「学校に行きたがらないで泣く」状況が受け入れられず、途方に暮れました。

この先どうなっちゃうんだろう

母親として未熟だったわたしは、奈落の底に突き落とされたような感覚を覚えました。

この子の将来は、いったいどうなっちゃうの。とにかく不安で不安で仕方がありませんでした。

今思えば、本人は成長とともに、言葉にできない漠然とした「違和感」を感じるようになったんだろうと思います。

不登校初日の翌朝も、「行きたくない」となりました。

毎朝、家まで迎えに来てくれた先生

学校に電話で欠席連絡を入れると、担任の先生に意外なことを言われました。

「お母さん、今からおうちに行って、本人と2人で話をしても良いですか?」

「あ、はい。」

電話を切ってしばらくすると、ピンポンがなりました。

玄関の外で、担任の先生と息子で10分ほど話をした後、「お母さん、本人が学校に行くと言っているので、このまま連れて行っても良いですか?」とおっしゃるではありませんか。

「行きたくない(本人)」→「休みます(母)」→「今から行きます(担任)」

先生と一緒ではあったけど、「自分の意思」で学校に足が向かう日が、3週間ほど続きました。

もう大丈夫だとした先生が、次のステップを用意してくれました。

自分から学校へ行きだした

「これからは、みんなより30分ほど早く登校して、先生の手伝いをしてくれないか?先生すごく助かるんだよ~。」

機械いじりや工作が好きな彼に、放送室の作業など、いろんなお役目を与えてくれました。先生が待ってるから、必要とされているから、「自分から」学校に行くようになりました。

以来、4年生が終わるまで、不登校の気配はまったく見せずに、修了の日を迎えることができたのでした。

この時の担任の先生は、中年男性。行き渋るようになったときの個人面談では、「お母さん、決して無理やり学校に行かせないでください。」「本人の意思で学校に行くようにさせてください。」と言われました。

その時はピンとこなかったのですが、中学生になって父親が無理やり学校に連れて行っていた弊害が出てきたので、今では自分の意思で学校に行くことの大切さがよくわかります。

その担任の先生が、本人がみずから学校に行きたくなる状況を作ってくれたことは、今でも本当に感謝しています。

先生もわが子の不登校に悩んでいた

「私は教員をしてながら恥ずかしいことなんですが、実は私の高校生の娘も不登校なんですよ。。。」

ある日、打ち明けてくれました。先生はお嬢さんを高校に送り届けるために、遅刻して学校に出勤することも少なくなかったようです。

わたしは不登校についてまったく無知だったので、学校の先生も、高校生になっても、不登校ってあるんだと驚きました。

その担任の先生は、息子が5年生にあがった春に、残念ながら他校に異動してしまいました。

ちゃんとお礼を伝える機会がなかったけれど、ご自身だって大変な状況の中、息子のために対応してくれたこと、今でもとても感謝しています。

こうして、わが家の不登校は解決したかのように見えたのですが、この後、しばらくしてから新たな展開が待っていました。

不登校はラッキー!?

ところで、この初めての不登校を経験する中で、尊敬する人にいただいたメッセージを引用します。

息子さんが不登校になったのですね。
これはラッキーな兆しだと思いますよ。私は。
日本も地球も大きな転換点を迎えています。
働き方も今後がらっと変わります。
だから既存のやり方が合わない子供達が
不登校になっているようです。
自分を生きている彼らから学ぶことがたくさんあります。
息子くんが学校に行かないのを
心配しないでください。
新しい価値観を生み出そうとしている彼らを
見守るだけいいんですよ。

わたしはこの時、この方からいただいたアドバイスが、にわかには受け入れられませんでした。だって、不登校=問題だと思っていたから。

この方が、コロナ禍よりずっと前の2018年に、こんな感覚を持ち合わせていた点もすごいと思います。

でも、このアドバイスのおかげで、自分の価値観を見直すようになりました。不登校について、ネガティブな情報だけでなく、ポジティブな情報をリサーチするようになったのです。

ポジティブな情報収集とネガティブな情報収集

これを書きながらふと思ったのですが、どういう情報を手に入れたいかによって、リサーチ内容が変わりますよね。

ポジティブな情報を得たければポジティブなキーワードを、ネガティブな情報を取りたければネガティブなキーワードで検索すれば、いくらでも出てきます。

というのが、世の中の多くのご両親と同じく、わたしたち夫婦も不登校について独自に検索してるんですが、

夫は、「学校に行かないと悲惨な未来が待っている」という検索結果を期待してリサーチしています(おそらく)。

わたしは、「不登校には明るい未来が待っている」という仮説のもとで検索をしています。

お互いにわが子の幸せを願ってリサーチしているのですが、とるべきと考える手段がちがうから、異なる情報を得ることになります。

まぁちがう人間だから仕方ないですよね。

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