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採用担当が教えます!ゲーム会社向けのポートフォリオの作り方

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の19日目の記事です

Happy Elements カカリアスタジオ採用担当です。

はじめに

当該記事作成にあたり、インタビューにご協力いただきました
株式会社ダンクハーツ様・株式会社テクロス様(五十音順・敬称略)・
その他各ゲーム会社様(残念ながら社名掲載NG)へ、この場を借りて御礼申し上げます。

お忙しい中、ご協力いただき誠にありがとうございました!!

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まえがき

当該記事ですが、

・ゲーム会社へ就職/転職を目指して、これからポートフォリオを制作する方
・デザイナー志望の社会人/学生の方

に向けた記事となっております。

そういった方々の中には、

「ゲーム会社向けのポートフォリオってどんなの?」
「自社の選考基準はなんとなくわかるけど、他社ってどういう判断基準で見てるの?」

と疑問に感じられたことがある方もいらっしゃるはず。

そういった方々に向けて、ゲーム会社で求められるポートフォリオ制作の
イメージを持ってもらえるよう、複数社のゲーム会社へヒアリングした内容を基に、「ゲーム会社で求められるポートフォリオとは」について、まとめた記事になっております。

しかし、デザイナーと一口に言っても、専門領域ごとに細かく職種が分かれる為、個々の職種毎に記載するとなると結構な量となります。

今回の記事では、
職種毎および個々の作品に関する細かい評価軸については触れず、

【ポートフォリオ全体としての評価基準】

という観点から、複数のゲーム会社へ取材を行い、
ご意見の多かったポイントをいくつかご紹介させていただきます!

少しでも、御覧の皆様のポートフォリオ制作のご参考になれば幸いです!


そもそもポートフォリオってなぜ必要なの?

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ポートフォリオとは、ご自身が希望されている職種に関する
実績・スキルをアピールするために作成する『個人作品集』です。

『キャラ・背景が描けます!』・『アニメーションが作れます!』
『UI作れます!』『3Dモデル作れます!』

と、どれだけ言葉でアピールしたとしても、
やはり採用する側としては

『この方が、どれだけの力量があり、どのような作品が作れるのか』

を作品として見ないことには判断できません。

そのため、デザイナー職の就職・転職活動において、ポートフォリオの作成は必要不可欠なものとなります。
弊社もそうですが、現に、応募段階でポートフォリオの提出を求める会社がほとんどです。(提出を求めない会社を探す方が難しいかも)

当該記事御覧頂いている方については既に認識されておられることかと、
釈迦に説法で誠に恐縮ではございますが…


採用する側は、ポートフォリオで何を見ているの?

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こう言ってしまうと、身も蓋もないですが。。。
『何を見ているのか』は会社によって異なります!!

が、これで終わると記事にならないので(汗)、
複数のゲーム会社様が回答されましたポイントをまとめてご紹介致します!

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■ 求めるテイストにマッチしているか

どれだけ魅力的な作品を作ったとしても、
採用する側が求めるテイストと合っていないと、採用する側としてはその方が活躍するイメージが持てません。

そのため、(応募者の個性や作風を否定しているということではなく)あくまでニーズと一致しなかった為、不採用となる場合も。。。

受ける会社について、どういったテイストのタイトルを作っているのか、
事前に調査・理解した上で、最適な作品を選ぶようにしましょう。
(そこから志望度みたいなところを量っている会社様もあるようです。)

・・・とはいえ「テイスト」という言葉は組織や職種によって捉え方が広い言葉ですので、まずは具体的なイメージを説明させていただきます。

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例えばイラストレーターの場合を例に挙げますと、

Happy Elements株式会社 カカリアスタジオの場合「メルクストーリア」や「ラストピリオド」といった少しデフォルメ調のファンタジー系のテイストのタイトル、または「あんさんぶるスターズ!!」「エリオスライジングヒーローズ」といった女性向けのタイトルを開発しています。

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このような会社に応募する場合、当然ながら「ファンタジー」または「女性向け」という、その企業が制作しているタイトルのテイストに合わせた制作物をポートフォリオに入れるべきです。

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逆に「デフォルメ系ファンタジー」のタイトルが多い企業に対して、SF系のイラストやリアル系ファンタジー ”だけ” が入っているポートフォリオだと前述したように「ニーズと一致しない」となってしまいます。

これはイラストレーターに限らず、
グラフィックデザイナーであればUIデザインの作品を入れたり、アニメーションデザイナーであればキャラクターのアニメーションを載せておくことはとても大切です。


■ 制作物の幅広さ

また、求められるテイストの中でも特定のテイストだけでなく、
幅広く対応できるかという点もポイントとなっています。

「ん?さっきと言っていることが少し矛盾してない?」と思われるかもしれませんが、これは『その会社にあわせたテイストを作れることを踏まえた上で、どこまで幅広いスキルを持っているか?』という意味です。

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幅が広ければ広いほど、様々な業務へ挑戦いただけます。

その方が一人でどこまで対応できるのかということが伝われば、採用する側はどんな現場や部署であっても活躍できる想像ができます。

幅広い作品があれば、特定のジャンルでは力量が不足していても、別のところで光るものがあると知ることが出来ます。

自分の出来ること・やれることは最大限アピールしてください。


■ 制作スピード、具体的な制作範囲

実際の現場において、1つの作品が完成に至るまで掛かった時間は非常に重要となります。

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特に自信のある作品は、各工程の制作について具体的に載せるのもオススメです

『早く作品を完成させられる』 というのは、実は大きなアピールポイントになります。可能な限り工程ごとに細かく制作時間を記載するようにしましょう。(成長力・素質といった点を見ているところも有、制作時期も記載しておくとベスト)

また、社会人の方の場合はそれに加え、ご自身が担当した範囲を明確に書いておくことも大切です。

特にグラフィックデザイナーの場合はチームで制作することが多いと思いますので、個人の制作範囲が画像などからだけでは見えづらく 「これはこの方がどこまで制作したのだろう?ワイヤーフレームを作っただけ?イラストも描いたのかな?」と判断がしづらくなり、ネガティブな評価をされることが多くなります。

イラストレーターやアニメーションデザイナーの場合でも、「線画のみ担当」や「演出のみ担当」などとご自身の担当範囲を明確に記載いただくほうが良い評価になる場合が多いです。


■ 表現力

個性やこだわり(武器)があるか、また自分が考えたものを表現し、それをしっかり人に伝えることが出来るかという表現能力を見られています。

制作背景・設定・意図などは作品を見ただけでは伝わりません。
必ず上記に加え、それを表現するための努力・工夫など、制作の際に気をつけた点などの補足も記入しておきましょう。

プロのデザイナーは、細かい部分までこだわって制作する方が多いです。


■ センスや創作に対する姿勢

個々の作品だけではなく、ポートフォリオそのものの完成度から
『その人のセンスや創作に対する姿勢』を見られています。

例えば、
・見やすい・わかりやすい構成(表紙・ページ番号など)になっているか
・キャプションに使っているフォントは作品の雰囲気を邪魔していないか

といった、ものづくりに対するセンスを見ています。
特にグラフィックデザイナーの場合はここも評価の対象になってきます。

ゲーム作りは一貫してエンドユーザーを意識して行う仕事ですので、そういった姿勢の有無を判断する意味で、【第三者に見てもらうためのポートフォリオ作りが出来ているか】は、非常に重要な点になります。


創作に対する姿勢という点では、仕事や授業以外で制作した作品を入れていただくのもプラスになります。

特に学生の場合は学校の授業で制作した課題ばかりをポートフォリオに入れている方が多いですが、採用側から見ると「この方は授業課題ばかりで、自分で創作することは本当は好きではないのかな?」とネガティブな印象を持ちます。
また、多くの学生さんが同じような内容のポートフォリオになるため、個性を出しづらくなります。


ポートフォリオは会社に対して自分自身を伝える手段です。
それ自体が【ひとつの作品】 となるよう意識して制作しましょう。

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まとめ

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採用する側は、単にあなたの作品集を鑑賞しているのではありません。

あなたがどんなクリエイターなのかを見定めているという採用する側の目線に立って、『どのような作品が組み込まれたポートフォリオであれば活躍をイメージさせられるか』を意識してポートフォリオを作ることが重要です。

自信のある作品を選定することはもちろんですが、その会社に最適な作品を、採用する側が見ている点を踏まえ、わかりやすくまとめる必要があります。

ポートフォリオは、
『志望する会社に、自分が働く姿・活躍する姿をイメージさせるためのもの』という点を押さえて制作しましょう!

ポートフォリオ制作は、かなりの時間を要するので、

学生は、
就活の短い期間で準備・複数の会社へエントリ―しないといけない

社会人は、
業務で忙しいので、そもそも作っている時間がない

などの理由から、1つのポートフォリオを使いまわしがちです。

ですが、応募作品に埋もれることなく、活躍出来る人物という印象を残せるよう応募する会社によって、都度、その会社にふさわしいポートフォリオを制作するようにしてください。


最後に

いかがでしたでしょうか?
結果、ゲーム業界に限らず、他業界でも同様の内容になっちゃったかなと感じておりますが、当該記事が、皆様のポートフォリオ制作の一助となれば幸いです。


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