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正月や 一点の光 福笑ふ

明けましておめでとうございます。
このところ橘曙覧(たちばなのあけみ)に心を引かれています。幕末に生きた清貧の歌人です。きっかけは、フェイスブックの友だち松本光正医師の富士山の写真に添えられた歌から。

楽しみは 朝陽の上る その刹那
  きらりと光る 空を見る時

この調べはどこかで聞いたことがある。平成六年のことです。天皇皇后両陛下を国賓として迎えたクリントン大統領が、ホワイトハウスの歓迎式典のスピーチで取り上げたのです。この歌でした。橘曙覧「独楽吟」から。

たのしみは 朝おきいでて きのふまで
  無かりし花の 咲ける見る時

妻や子どもを愛し、なにげない日常生活や自然のことをすなおに詠っています。こういう日本人がいたのだ。なつかしな。

たのしみは 妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 
  頭(かしら)ならべて 物(もの)をくふ時

暮から元旦までの生活を詠んでみました。この続きを新しく生きていきます。どうぞ、今年もよろしくお願いします。

たのしみは 干支を一文字 墨にして
  ひと言そえて 書きあげしとき

たのしみは 光あふるる 初日の出
  この世の闇を 打ち砕くとき

たのしみは 十七人の 子や孫と
  お節を並べ 屠蘇を飲むとき

たのしみは 雑煮の餅の 数聞かれ
  二つか三つ ああ迷ふとき

たのしみは 思いもかけぬ 初雪に
  身も心まで 晴れわたるとき

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖のほとりの草庵にて

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#屠蘇 #俳句 #短歌  

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