#会社の方針は幸せの方へ
こんにちは。バティック女子のアミです。
普段は、インドネシアの伝統的な布をモチーフとしたお洋服をECサイトにて販売している21歳現役大学生です。
noteを久しぶりに書いたのですが、最近レポートの書きすぎか、言い回しが文豪みたいになっていたり、です・ます調から、である・だみたいなのになってしまうみたいです。
そんなことはおいておきましょう。
今回、名古屋県にある、布にインクジェットを施しているマルスギ捺染という工場の代表の杉原智博さんにお話を聞くことができました。
このような情勢のため、zoomでとなりましたが、約2時間もの間チームのメンバーと3人で話しました。
とても深い話をしたのでぜひ最後まで見ていってくださいー
1.マルスギ捺染さんの工場では何をしているのか
まず、そもそも捺染(なっせん)とはなにかみたいな話になると思います。
なっ‐せん【×捺染】 の解説
[名](スル)染料を糊 (のり) にまぜ、直接布地に摺 (す) り付けて染色すること。特に、型を用いた模様染めをいう。プリント。おしぞめ。なせん。
google辞書より引用
また、捺染に関するとても綺麗でわかりやすい記事も見つけたため参考までに!
要するに捺染とはプリントのことなんです。
捺染する方法にも様々な技法があります。機械でやるのもあれば、手で行うものもあります。
捺染の一番の要は、
色の出し方、色を忠実に顧客の思い描いている理想の色にするか
これが、本当に職人技なのだそう。視覚的にわかる情報だからこそ、クライアントさんとの齟齬やちょっとしたニュアンスの違いがあっては大変です。また、色の幅を出すのが難しいとされていたため、クライアントさんが妥協案としての色を提示されることもあるそう。そこに対してマルスギ捺染さんはしっかりヒアリングをし、本当に理想としている色を目指していらっしゃるとのことでした。
そしてそんな職人さんで選ぶような仕組みを作りたいと仰っていた。
イメージで言うと、「この野菜は〇〇農家の△△が作りました」というようにです。ここ最近ではよく目にし、主流にもなっている。これは、野菜の質が今まで以上にシビアに見られる仕組みでもあると思います。一方で、その質が認められればそのお客さんは離れることはなく、もれなく口コミで広がる可能性もある。
一見消費者ファーストにも視えるが、よくよくみると圧倒的に職人さんファーストな考え方です。時代にもあっている考え方に思います。これはどの業界にも当てはまるように思います。(杉原さんは、時代でというよりも本心ではなしているように感じましたが)
そして衝撃的なのが、必ずしも日本製が良いと思っていない点にあります。例として歴史的な観点から、その都度安い人件費の国に縫製を委託されてきたのは言うまでもない。それは日本も同じであった時代もあります。だがその時代があるからこそ日本の縫製技術は向上していったのはあります。今は、東南アジア諸国や中国に回ってきているということです。
では、日本の工場の優れている点とはなにか。
「ちょっとした気遣い」
これが日本の強みであると杉原さんは言います。マニュアルにとらわれず、日本人の得意な細かやかさの観点を気遣いと表現しているのだと思います。
それを踏まえた上で「ウチが選ばれるような工場していきたい」と杉原さんは言います。
2.工場の抱える課題とはなにか
実際に、私達は工場の課題として3つほど考えていました。
・後継者不足
・古くからのコミュニティが存在し革新が起こりづらい
・「売る」ことが苦手
一番の問題として、後継者の不足があると考えていました。
この問題があるからこそ、廃業にもつながっているケースが大いにあるからです。ところが、杉原さんからのお話では、必ずしも後継者が不足しているからではないようです。まず、工場がある点から土地を保有していることになります=子供に十分に教育を施すことができることから、名の通る大学を卒業し、いわゆる大企業へ就職できるレールが整えられます。
子供の将来を考えたときに、継ぐよりも、年収がもらえる会社員にするほうが、良いのではないかという親の思いが、継がせないという方向にすることもあるようです。なかなか複雑な問題。継ぐことになると新たな設備投資をしなければならない点もハードルにあるようです。
ただ、後継者が居ないからではなく継いだその後のキャリア的な問題が孕んでいるのはとても良い気づきでした。
3.マルスギ捺染さんの経営理念はなにか?
そんな、マルスギ捺染さんの会社としての理念はなにか。
じつは、、、私は自己紹介もなしにまず、
「マルスギ捺染さんの理念ってなんでしょうか?」
と聞いてしまった。なんという非常識きわまりない、、、。
HPにも理念というものは書かれていなかったため、とても気になるところでした。
ここで衝撃の事実。
マルスギ捺染さんには理念がない!!!
創業当時からないのだそう。そして、最近若い人材が多く入ってきてくれるようになり、そこから理念考えるかという考えを持ち始めたそう。
裏を返せば、理念ベースでの仕事の仕方ではなく、それよりも自分たちが与えられた仕事に対して誠心誠意仕事をするスタンス、スタイルなのだと言える。ある意味本質に近い気がしました。
杉原さんも「理念がないことがうちの理念である」と仰っていた。
今まで出会ったことのない経営者さんの話でした。
4.マルスギ捺染代表杉原さんの仕事の軸とは
今度は、杉原さん自身にフォーカスしていこうと思う。杉原さんの根幹に人生をいかにして幸せにするかというのが挙げられる。
これは杉原さん自身のみならず、社員に対してもである。社員の幸せも杉原さんの幸せにつながっている。言うのは簡単であるが体現するのは難しいと思います。
なによりも社員がどのようにしたら幸せになれるかというのを杉原さんの芯のある言葉で伝えてくださったのが印象的でした。
また、D2Cをしている理由としてお客さんから実際に「ありがとう」を聞ける点だと言います。利益をあげるのはもちろん経営者として重要なことではあります。ですがそれ以上に、直接の言葉は、川上の産業だと聞く機会が少ない点からもやりがいを感じられると言います。
5.これからの展望とは、、、
マルスギ捺染の気になるこれからの展望とは
大胆に、5年後のマルスギ捺染を聞いてみた。
自分一人で進むのはやめる
というのがキーワードでした。
聞いたことある人もいるかと思いますが、
「 早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め 」
組織論において語られる文章です。
杉原さんは今まで、お一人で多くのことを企画し、決めることが多かったと。これからは、社員がみんなで売上や生産の目標を持って働くことを目指していきたいと仰っていた。
これは上記にも書いていたが、社員(職人)、一人ひとりに技術力を持って選ばれるような人材、そして仕組みを作りたいということにもつながるのだと感じた。
まとめ
今回、マルスギ捺染の杉原さんにお話を聞けて、工場の抱える問題がよりクリアになりました。それと同時に杉原さんの工場、社員へ「幸せ」という言葉から広がる世界観にとても感銘を受けた。そして、杉原さんの前進していこうとするお考えからもますます革新的な工場になっていくのではないかと考えます。
3000字超えの文章になってしまったけどまた新しい価値観とか知識につながってくれたら嬉しいです。
これからもまだまだ取材していくのでお楽しみに〜。
バティック女子から
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