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海辺のベッド 輝く朝

周りの明るさに目覚めると、目に入ったのは輝く海と空だった。

驚いて上半身を起こす。

ここはいったいどこ?

昨夜疲れ切って自室のベッドに倒れこんだはずだが。

飲みすぎた不眠症の薬が見せる幻影なのかな。

4,5人は寝転べる白く大きなベッドは海に長く突き出たデッキに設置されており、デッキは海辺の大きなホテルから伸びていた。

いつか行った海外の南の島のホテルのようにも見えた。

唖然とする私の目の前で水平線から眩い朝陽が昇り始めた。

初夏のような陽気の中、神々しい光を放ちながら周りの雲をオレンジやピンクに染めていく。

南国らしく、遠くの空ではスコールが降っているようだ。

雲は鮮やかに色を変えながら風に乗って流れていく。

これは夢?それともパラレルワールド?過去へのタイムスリップ?

私の頭の中では昨日までの記憶が徐々に薄れ、まるで夢でも見ていたかのように感じ始めた。

目覚めたここにいる自分が現実という気になってきている。

思えばいつも夢の中では自然に現実のように感じていたはずだ。


吹いてくる磯の香りのそよ風も、全身に浴びる朝日も本当に気持ちいい。

シーツもパリッとして肌触りがいいし、枕やクッションもフカフカだ。

海に突き出したデッキの上のベッドなんて、あるんだな。

まるで海に浮かんでいる船のようだ。

海はエメラルドブルーで、チラチラ泳ぐ魚の影が見える。

海鳥の鳴き声があちこちで聞こえ始めた。

最高の気持ち良さじゃないか。

もう夢でも幻覚でもいいから、楽しもうと思った

おなかもすいてきたし、今日はこれから何が起こるのかな。

ワクワクしながらベッドサイドの電話機に手を伸ばした。

ホテルのフロントにモーニングサービスを電話しよう。

せっかくだし、トロピカルジュースと果物の朝食がいいな。

海と空を見ながら、私は久しぶりに笑っていた。



絵 マシュー・カサイ「海辺のベッド」水彩





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