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『日本人と海外移住 移民の歴史・現状・展望』の感想

移民に関する研究は、幅広い学問や専門分野に及びます。
現在でも、移民を受け入れる政策がなされようとしているにあたり、公共政策にとっても移民についての研究は、重要な事項と言えます。

そこで、『日本人と海外移住 移民の歴史・現状・展望』(日本移民学会編2018年4月30日版)を読みましたのでご紹介したいと思います。

こちらの本では、ハワイ、アメリカ合衆国、カナダ、ブラジル、中南米、満州、東南アジアへ旅立った日本人について、そして在日ブラジル人、在日コリアンの人々がどのように生きてきたのかを知ることができます。

ブラジルに移住した日本の方々は、第二次世界大戦が進むにつれて、日本に帰りたくても帰れず、生きるために作ったものは、当時の敵であったアメリカへ供給されることになりました。

満州に移住した方がも、大変な目にあってしまいます。このあたりの記述は、想像するだけでつらくなります。

現地の方々の状況も考えると、排他的になるのは分かりますし、移住者の方々も生きていかなくてはいけませんし、そもそも帰れなかったりするわけですから、そこで生きていくしかないのです。

当時の国際状況なども分かりやすく説明されており、移住した人々がどのように生きていったのか、その子どもさんやお孫さんはどうしていったのか、その時々により変化する立場についても分かりやすく読むことができました。

自分には関係のない一時のことでなくて、今にも続いていることで、今後はさらにさまざまな状況になっていくでしょう。

そうなっていった時に、私はどうしていったら良いのか、どうするべきなのかを今の段階でもきちんと考えておかなければならないことだと思い知らされました。

章ごとに課題が出されているため、何周も楽しむことができます。ちょっとずつ課題をやって、まとめていこうと思います。


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