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[2021バイヨンヌでサマースクール⑩]「山の理想の家」からの「ミラクル」

5時間かけて、山バスクに到着。

会ったこともない私を家に泊めてくれる青年は、見るからにとても好青年。

ですが、なんといっても一番感動したことは、

彼の建てた家が素敵過ぎたこと!!!


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1人で住む用の小さな家ですが、

必要なものがうまくまとまっていて、まさに「夢の家」。


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お手洗いは肥料に使うためにコンポスト式(バケツが便座の下に置いてあり、用を足すたび木屑をかけていき、溜まったら捨てる)タイプだったので、

「こういうの平気?」と聞かれましたが、全然平気。

そういうお手洗いは昨年数ヶ所でしたフランスの農家でも、ハワイでも経験済みで、なんの抵抗もありません。



こんな素敵な家で3日間過ごせただけで、自分の夢がひとつ叶った気がしました。


自分だけのサンクチュアリー。

自分だけの大切な場所。


私も、こういう家を地球上のどこかに持ちたい。


その思いをより一層強く、現実のものとして見せてくれました。


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↑フレーク状の海苔を買ったけれど使い方がわからないと言っていたので、海苔のパスタを作ったら、大好評でした。

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彼のもとで一緒に働いているインターンのフランス人の男の子は、日本の大学に交換留学していたこともあるそうで、少し日本語を話すことができて親近感。

彼も同じく、一人暮らしの為の部屋をバスクで探していて、お互い励まし合い、慰め合い。。。



3日間お世話になる代わりに、仕事をお手伝いさせて欲しいと申し出、

さっそく羊の毛を機械にかけてなめらかにする作業と、

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↑この毛が

↓こうなる

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その羊の毛がいっぱい詰まったクッションを作る作業をお手伝い。

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↑日本の「布団」のように、針と糸で留めて欲しいと言われた試作品クッション。
なんとかわいい出来上がり!


近所の農家に連れて行ってくれたり↓

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一番近い町でのバレーボールチームのミーティングに連れて行ってくれたり、

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↑チームキャプテンがバスクの地ビールをご馳走してくれました。

でも、チームキャプテンがお手洗いに立った瞬間、みんな彼がテーブルに置きっぱなしの小銭入れにお金を入れていました。いつもご馳走してくれるけど、奢らせてくれないから、時々そうするそうです。



そういう時間を過ごす中で、

「やっぱりバスクに住みたい」という思いがますます強くなり、

パリに戻るのではなく、どこかバスクの山の小さな村に1ヶ月部屋を借り、

その間に海バスクに部屋を見つけようと決めました。

同じバスク内にいれば、部屋の内覧に行くのも楽だからです。



さっそくAirbnbで、1ヶ月連続で住める一番安い部屋を見つけ、名も知らぬ小さな村のオーナーにメッセージを送りました。



でも返信が来ない。



しょうがないので、2番目に安い、同じく名も知らない村の部屋に連絡をとっても、


返信が来ない。。。汗



いったいどうなっちゃってるの。。。


時間がどんどん過ぎてゆく。。。。


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翌日の7月14日のフランスの祝日。

朝から羊の毛を機械にかけてフワフワにする作業をしていると、

私の携帯が鳴りました。


てっきりAirbnbの返事かと思ったら、

電話先には、先日内覧した「海の近くの部屋」のオーナー。


彼は開口一番、こう言いました。


「ゆき、実はね、やっぱりあの部屋には君に住んでもらいたいんだけど、どうかな」


!!!ビックリしました!!!


「え!!!でも、シェフの男の子はどうなったの?」


「実は、彼が用意するはずの書類の中に « 雇用契約書 » が無くて、勤め先に確認してみると、きちんとした雇用契約を交わした訳じゃなくて口約束みたいなものだったんだ。要するに、彼は嘘を付いていたということ。この状況では彼に家を貸せない。どちらにしても、彼は今親戚の家に暮らしていて、住むところに困っているわけじゃないから、できれば君に住んでもらいたいんだ」



私は、もちろんOKをしました♬


やっぱりあの部屋に住むことになった・・・!!!ラララ♬


その日の夜はバイヨンヌで7月14日のフランスの花火を見て、


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翌朝、私のスーツケースをご厚意で山の家で預かってもらい、2週間後から始まる新しい生活の準備をする為に、新幹線に飛び乗ってパリに戻りました。

「8月に入ったらスーツケースを取りにくるね♬」


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こうして、私のバスクでの生活が幕を開けたのです。


(おわり)



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