頑張れ「メガネのまち鯖江」
『眼鏡コンサルタント』ともぞうです。
先日のブログでも書きましたが「Made in Japan」のメガネは、ほとんどが福井県鯖江市で製造されています。そのメガネのまち鯖江もコロナの影響を受け、かなり厳しい状況です。
今回はともぞうがその現状についてお伝えしようと思います。
週末は水曜日
前回コンサルのお仕事で鯖江市に行って友人の会社に立ち寄った時に、そこで友人から出た一言が
「今日水曜日は週末だから。。。」 「はぁ？？」
なんと鯖江のメガネ工場の何軒かは週休4日、週３日出勤で、週４日休み。コロナの影響を受けて注文が無く、いまだにそういう状況です。最近はストップしてた注文の生産が再開したり、徐々に稼働はしてきているようですが、まだそんな状態。厳しい。。。
また、海外の展示会なども中止になって新型を開発するブランドが少なく、新しい企画は多少あるそうですが、注文までには至ってないようです。
2020年春の新作を発表する展示会がコロナの影響でほぼ中止になり、各ブランドは2020年春の新作を発表できていない。だから生産が止まってしまってることも原因かも知れません。
鯖江の工場だけじゃない
工場に注文がいかないのは、結局は小売りが売れてないから。その間にある卸会社もかなり厳しい状況にあるようです。在庫を抱えて、営業に行きたくても、まだまだ訪問禁止の店舗、しばらく仕入れストップの店舗、出張禁止の会社など、コロナで業界全体が負のスパイラルに陥ってるような状況です。
世界から見た鯖江のメガネって？
ちょっと話しは変わりますが、世界から見た【鯖江産】の眼鏡ってどんな感じに思われてるのでしょうか？
やはり「Made in Japan」の眼鏡の印象って、品質が良くキレイで精密に作られてる、こういうイメージが強いと思います。だから当然ですが値段も高い。
台湾では日本製の眼鏡は日本の価格の1.5倍の上代になるそうです。
ですから、眼鏡の作りにこだわっている有名ブランドはほとんどが【鯖江産】になっています。
「メガネのまち鯖江」が危機の理由
これだけ市場には沢山の眼鏡店があるにも関わらず、世界的にも有名な眼鏡の生産地が危機に陥っている理由、それは今回のコロナで消費が落ちたのも大きな要因の一つですが、慢性的に15年以上続いてきた問題は、ご存じだとは思いますが中国製メガネの存在です。（中国の話しはまた後日）
中国製のメガネは近年急激な品質改良と、圧倒的な価格の安さで世界中に広まっていきました。その影響をまともに受けたのはもちろん鯖江と、もう一つの有名な眼鏡の生産地のイタリア。イタリアでは産業自体が存続の危機に陥って、かなりの工場が廃業したって聞きました。
有名ブランドのメガネで「Made in Italy」、よく見かけますよね？最近はイタリア製も復活してきているように思います。
とにかく、中国製の眼鏡に押され続けてきたところに今回のコロナショック、国内外を問わず注文のストップやキャンセルを受けた工場は、現在も100％の稼働率には程遠く、雇用助成金制度を使ったりして繋いでいる状態と言えます。またその工場よりも数が多いのが、下請けの小さな工場。元請けで仕事が無いのに、下請けまで仕事がまわるはずもなく、厳しい状況が続いています。
これからの「メガネのまち鯖江」に必要なこと
10月末にIOFT（メガネの国際展示会）が東京で開かれますが、例年のような同時期の他の展示会は中止になり、まだまだ業界の雰囲気は良くはありません。また、まだコロナの影響が残る眼鏡業界、IOFTに行く眼鏡店も少ないと聞いてます。
悪い話しばかりではありません。今年イタリアのルックスオティカが鯖江に工場をオープンさせました。聞くと来年の目標生産本数は１００万本を超えるとか。ただ、鯖江にとっては良かった事ではないでしょうか？
小売店のクライアント様にも言っていることですが、生産側の工場も今後は効率化が求められます。今まで当たり前で運営していた工場での作業や、人員の配置、作業の効率化など、再度無駄を見直す必要があると思います。
今後、コロナ以外の今回のような外的要因の問題が、いつ発生してもおかしくありません。
こんな言い方をすると鯖江の皆様に怒られるかも知れませんが、もう時代は変わりました。今までのように鯖江から出ないで、小売りの現場のリサーチにも行かないで、消費者が何を求めているかを知ろうともしないで、そんな意識でやっていける時代ではありません。
眼鏡業界全体が、新しいこれからの時代に合ったビジネスのやり方を考える良いタイミングだと思います。前向きに小売り、卸し、生産の垣根を越えて一丸となって、眼鏡業界を盛り上げていきましょう！
ありがとうございます。
『眼鏡コンサルタント』ともぞうでした。
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