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カラフル # 虎吉の毎月note

4月、春、始まりの季節。
心地よい春風に吹かれながら見上げる春の空の青さが美しい。

この時期、新社会人、転職、異動など、新たな人生のステージへと一歩を踏み出す人々も多いことだろう。そのことに不安を抱く人も多いことだろう。

僕も社会人としてスタートした時、漠然とした怖さを持っていたことを思い出す。仕事はこなせるだろうか。周囲と馴染めるだろうか、と。

でも今思うとその頃に抱いていた不安や怖さは別のところにあったような気がする。
社会に溶け込むということ、それはつまり「自分の個性が失われていくこと」だと考えていたのだ。

自分の代わりが務まる人はいくらでもいる。
自分1人がいなくても何一つ世界は変わらないような、そんな気がして怖かった。社会は何もかもが単一で無機質な色をしているのだと思っていた。

でも実際に働いてみると、意外とそうでもないことに気づいた。仕事にはその人の性格が出るという。
仕事において重視している点や仕事自体に対する捉え方もみんなそれぞれ違うことに気づいた。

それぞれ同じものを見ているようで、実際は各々違う価値観を持ち、異なった視点で仕事を捉えていた。そしてそれは仕事に限ったことではないことにも気づくことができたのだ。

例えば空を見上げてみる。
自分が見ている空の青さは過去の自分や他人と同じだろうか。現実の青さと同じだろうか。

おそらく微妙に違う色をしていることだろう。
自分の視覚は必ず、どこかで自分の今の気持ちや歩んできた道のりの影響を受けている。
だから各々が見ている景色は少しずつ異なった形で、それぞれの内側に響いているのだろう。

誰も誰かと全てを共有することはできないし、その必要もない。全てを共有できないからこそ新たな発見や気づきに出会うことができるのだから。

今回の企画なんかがまさにそうだ。
同じ「4月の季語」というテーマでも選ぶ季語や描く内容は人それぞれ。

4月という季節に希望を見出す記事を書いてくださった方もいれば、思い出の中のチューリップを表現してくださった方もいた。

花言葉や春風を使って恋を描いた作品もあれば、自然美や花の散り際の美しさに思いを馳せる作品もあった。

さらに「風船」という難しい季語を使って怪談話を書いてくださった方や、全ての季語を使って1つの物語を作る、という荒業をやってのけた方までいた。

自分にない視点からの記事から気づきや感動を覚え、コメントなどを通してますます世界が広がっていく。企画物にはこのような面白さがある。

同じ時代、同じ季節を生きていながら違う景色を一人一人が見ている。だから、自分1人がいなくても何一つ世界は変わらないということはきっとありえない。

たった1人でも欠ければ必ず世界は変わってしまうのだ。たった1人の存在。たった1人の感覚。
それは決して「0」ではないのである。

空から少しずつ下の方へ目線を下げていくと、桜、チューリップ、菜の花など、この時期は春らしい風景が目の前いっぱいに広がっている。

単色の無機質なものと信じ込んでいたこの世界。
今なら分かる。単色でもなければ無機質でもない。
春に咲き誇る1つ1つの花々や蕾のように、様々な個性がそれぞれの場所で輝きを放っている。

春に思う。「世界は想像以上にカラフルで美しい ! 」


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自身の企画に参加します😊


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虎吉
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