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#74 問行調査を読んで、やはりプロセスが大切

皆さんこんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
今回も記事に辿り着いていただき、ありがとうございます。
日々の気付きから、私の学校現場での経験や教育行政という立場から学校を見てきた経験を皆さんのお役に立てたらと思い、記事にしております。

さて、先週、令和4年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果が文部科学省から発表されました。
タイトルにもあるように、教員の中では省略して「問行調査」と言っています。

例年は10月末に発表されていたので、かなり油断していました。
それでも早速結果を見させていただきました。
先入観を持たないようにするために、新聞等の記事は確認せずに資料を読みました。
そこで、感じたことをお伝えします。
(お断りしておきたいことは、今回の記事は全ての児童・生徒に当てはまるものではありませんのでご理解ください)

いじめの認知件数、暴力行為の件数、不登校児童・生徒数はどれも増加し、コロナ禍前の令和元年度と比べても増加しました。
資料を読んだ後に新聞を見ると、不登校児童・生徒数やいじめの認知件数の数字が大見出しになっていましたね。
でも、これって数字が独り歩きしてしまい、プロセスが見られないため悲しいですね。

ほとんどの学校において、いじめの認知について研修を重ね、軽微なものも報告するようにしてきました。
そして、現在の法律では「いやだな」と思った時点でどんな状況であってもいじめとして認知しなければなりません。
このことが浸透してきたおかげで、認知件数が増えてくるのも当然です。
これは学校の努力の結果ともいえるわけです。
このあたりのこともきちんと取材して報道してほしいと思いました。

ただ、気になるのは・・・重大事態ではありません。
もちろは重大事態になるまで収束できないことは残念ですよ。
それよりも気になっていることはアンケート調査の実施についてです。

いじめを認知している学校の99%以上は児童・生徒に対して、何らかのアンケートを実施しています。
(後述しますが、100%になりません。)
アンケート調査の効果は問行調査の結果を見れば一目瞭然です
多くのいじめがアンケートで認知されております。

しかし、いじめを認知していない、つまり、いじめは1年間1件もなかったという学校において、95%がアンケートを実施したと回答しています。
5%の学校はアンケートを実施していないにも関わらずいじめがなかったということになります。
実はアンケート実施校は100%にならないことはわかっています。
複式学級だったり、学年の児童・生徒が2・3人という学校もあるため、アンケートを実施していなくても、個人面談が行える等、個別対応が可能な学校があるからです。
5%もそういう学校があるのかと思いました。

これはマイナス発言ではなく、5%の学校もアンケート調査をしないでいじめがないと言えるその過程を知りたいと思ったのです。
これは、他校にとって参考になると思います。
アンケートをするまでもなく、いじめのことが把握できるというその仕組みを他校も取り入れてよいのではないでしょうか。
やはりこれもプロセスですね。

不登校児童・生徒数の増加に伴い、気になったことは人数ではありません。
教員の見立ての不登校の原因は「無気力・不安」が毎年断トツ1位です。
これはつまり、よくわからないということが現状です。
何となく不登校になってしまった場合には基本的にはこの項目になってしまいます。

そして、この6割の児童・生徒が学校内外の専門機関や教員以外の誰かに指導を受けていないこともわかっています。
つまり、6割の児童・生徒が周囲と関りを持っていないということです。
これは「受け身」の姿勢なんですね。
誰かが手を差し伸べているのを待っている状態ともいえます。
でも、これは児童・生徒が悪いのではなく、そのような児童・生徒を育ててしまった教育が原因です。

幼少の頃から、児童・生徒に自分で選択させずに、大人が全てやることを決めてしまい、その範囲の中でしか子供が活動していないのが現状です。
「選択肢を与えています!」という声も聞こえてきそうですが、それは大人が決めた範囲の中での選択です。
これでは、自分で決定するという経験を積んでいないから困ったときにどこに相談しよう、どこと関係を持とうという気持ちにならないんです。
困ったら誰かが手を差し伸べて選択肢を与えてくれるだろう。
与えられた2つの中から1つ試しに選んでみて、うまくいけばいいや、うまくいかなくても紹介してくれた人のせいだという考えが自然と今の教育では身に付いています。

大人が子どもに対して見方を変えないとこのあたりは変化していかないと思います。
これも調査の結果だけで見るのではなく、調査に至るまでのプロセスでどのような教育をしてきたのかを見なければならないということですね。
やはり、プロセスでした

というように問行調査の結果から色々な話に飛びましたが、やはりプロセスを見ていかないといけない。
どうしても、テストの点数や進学先が分かりやるすいので目が行きがちです。
そうではない点に注目した教育ができるようになると、5年後くらいの問行調査の結果は変わってくるのではないかと考えています。
これも、すぐに結果は出ませんので長い目でそのプロセスを見ていかないといけないですね。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんにとって何か気づきがあれば嬉しいです。
それではまた次の記事で!

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