ぷっぴぷー

ぷっぴぷー
とある男子高校生はこの言葉が書かれた本のページを見つめていた。
「ぷっぴぷー…?」
頭を傾げながら、その突然現れたページを見つめていた。
「変なの。」
そう言って男子高校生は本を閉じ、図書館の本棚に収めた。

いま、あの人は何をしているのだろう。
と思うように、男子高校生はあの本を思い出していた。
否、思い出してしまった。
思い出してしまったからには、頭の中の思考回路が「ぷっぴぷー」という言葉に支配されてしまう。
「ぷっぴぷー」
「ぷっぴぷー」
「ぷっぴぷー」
その言葉の意味が気になり男子高校生は授業中なのにもかかわらず頭を抱える。
「ぷっぴぷー…」
そう男子高校生は呟いた。

「ぷっぴぷー」
「ぷっぴぷー」
「ぷっぴぷー」
男子高校生は家路につくなりその言葉をずっとブツブツと呟いていた。
「ぷっぴぷー…?」
「ぷっぴぷー…?」
今度は語尾の音階を変えて考えているようだ。
きっと、この男子高校生は真面目なのだろう。
この意味を追求したく、家に帰るなりインターネットで調べた。
もちろん。検索結果はゼロ。
男子高校生は頭をさらに傾げた。

ぷっぴぷー
ぷっぴぷー
ぷっぴぷー
他の人々も同じ本を読んだのだろう。
皆々が口にするようになった。
「ねえねえ。ぷっぴぷー!」
「ぷっぴぷー!!」
どんどんと「ぷっぴぷー」という言葉に侵食されていく。
「「「「「「「ぷっぴぷー」」」」」」」」
「「「「「「「ぷっぴぷー」」」」」」」」

さて、結末はどうなったかというと
世界中にこの本が現れ世界中の人々が「ぷっぴぷー」と口にし始めた。
「ぷっぴぷーは最高だよ!」
「ある時、落ち込んで本を読んだときに現れたのが「ぷっぴぷー」だったんだ。いまじゃそれは親友みたいなものさ。ぷっぴぷー」
インタビューに取り上げられるほど「ぷっぴぷー」は世界に進出していった。
ぷっぴぷー
ぷっぴぷー
ぷっぴぷー
どんどんとこの言葉に侵食されていく。

ぷっぴぷー

たぶんあなたの直ぐ側にもぷっぴぷーは現れるかもしれません。

たぶん、もうそろそろ。

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